祈りの魔法

Shino Nishikawa

祈りの魔法

この物語に嘘はない

祈りの魔法
街の小学校の3年1組は、とても仲の良いクラスでした。そのクラスのシシト、カネちゃん、ヒナノは同じ保育園出身です。カネちゃんはとても可愛いので、シシトは少しだけカネちゃんの事が好きでした。カネちゃんは何があっても決して泣かないのです。とても強い女の子でした。ヒナノはすぐに泣いてしまいます。だから、カネちゃんの事をすごいと思っていました。

4年生になると、担任の先生が変わりました。とても恐い鬼塚先生です。みんなにとても酷い言い方をしたので、楽しかった学校が怖い場所になってしまいました。だから、シシトは、みんなを励ますために、元気に振る舞いました。
この頃からです。シシトは子供なのに、大聖人と呼ばれるようになりました。
恐ろしい学校生活から逃れるために、11才のシシトは、神様について勉強するようになりました。キリスト教もイスラム教も全て好きでした。でも、シシトの家は、仏教徒です。シシトは熱心に般若心経を唱えました。

5年生の時、カネちゃんの家が新しくなることになりました。シシトもヒナノも古い家に住んでいましたが、カネちゃんが幸せに暮らす事を喜びました。家を建てる間、カネちゃんは、ヒナノの家の近くのマンションで暮らす事になり、ヒナノは、カネちゃんと一緒に学校から帰ることを喜びました。

6年生の時、カネちゃんの家が完成しました。カネちゃんはとても嬉しそうです。
でも、カネちゃんの家を見に行った子が、青い顔をしていました。
シシトは思いました。
「どうしてだろう?せっかく、カネちゃんが、良い家に暮らす事になったのに。」

シシトと、ひなのと、他の友達で、カネちゃんの家を見に行きました。
それはそれは、見た事もないピンク色のお城でした。驚いた子供たちは息を飲みました。
その上、お城は、鬼塚先生の小さくて古い家の目の前にあったのです。
それ以来、子供たちは自分の普通の家に帰るのが嫌になり、夜はぶるぶると震えるようになってしまいました。

それでも、シシトは大聖人です。夢の中で、女神様が声をかけました。
「シシト、あなたが、みんなを導きなさい。」
「うん、でも、どうすればいいの?」
「とにかく祈る事よ。」

シシトは、般若心経と絵本に書いてあった祈りの方法をやる事にしました。
『助けてください。』とか、『守ってください。』という言葉を心の中で唱え続けるのです。すると、少しは気が晴れました。
一人でカネちゃんの家を見に行った時に、恐そうな男の人が、シシトに声をかけました。
シシトは『守ってください。』と心の中で唱えました。すると、「逃げろ。」という声が心の中に聞こえたのです。
シシトは走って逃げ、家につくと、周りを見回しました。
「さっきのは誰だろう?」

シシトは不思議な気分で、夜、眠りにつきました。
すると、夢にまた、女神様が現れ、シシトに言いました。
「今日、あなたを助けてくれたのは、空気の魔法よ。空気には魔法があるの。世界には不思議がたくさん隠れているわ。それを全て知っているのは、空気の魔法よ。あなたが祈れば、必ず、空気の魔法が答えてくれるわ。」

「そうだったんだ。」
「安心しなさい。でも、頑張らなきゃダメよ。」
「わかった。」


シシトは強い心を持てるようになり、それは周りにも波動しました。
みんな、カネちゃんの事を気にしないように頑張り、小学校を卒業したのです。

中学でも、シシトと、ひなのと、カネちゃんは一緒でした。
ひなのは、本当にカネちゃんの事が嫌でした。でも、ある日、カネちゃんの可哀想な事を聞きました。日本一の豪邸に住んでいるカネちゃんは、王様のパーティーに呼ばれましたが、一番後ろに並ばされたのです。王様は、カネちゃんの家に自分の強さを見せつけたのでした。カネちゃんのお父さんは、悪い事をしてお金を儲けていました。本当は、カネちゃんは可哀想な子でした。でも、王様は、可哀想な子供のカネちゃんさえも、悪者として扱ったのです。


ひなのは、神様に祈りました。ひなのは自分の幸せをカネちゃんにあげてほしいと祈りました。
すると、ひなのの夢に、女神様が現れて言いました。
「ひなのちゃん、自分の幸せを他人にあげるように祈るのは間違ったやり方よ。まず、自分の幸せを祈った上で、他人の幸せを祈るのです。」
「分かりました。」
「空気には魔法があるわ。それを信じぬくと、あなたの大きな願い事が叶うようになるでしょう。」


中学を卒業すると、ひなのは、シシトとカネちゃんとは別の高校に行きました。
シシトとカネちゃんは同じ高校です。
カネちゃんのお城は、街の災いのような物でした。シシトは、強くなって、カネちゃんの事を変えてやりたいと思いました。
シシトは、空気の魔法を信じぬき、トレーニングをして、強くなりました。
空気の魔法を信じぬくという事は、願掛けができるようになるという事です。
それはとても難しい事ですが、シシトはできます。
大きな夢を叶えるためには、必要なのです。

大人になったカネちゃんが恋をした相手は、貧乏人でした。カネちゃんは失恋をし、自分で体を傷つけてしまいました。
もしも、シシトが、カネちゃんに願掛けのやり方を教えたとしても、カネちゃんは夢を叶えるためではなく、自分でつけた傷を消すために使わなければなりません。
それはとても可愛そうな事でした。

大人になったひなのも願掛けのやり方が分かるようになりました。
ひなのは家を大切にし、とても綺麗になりました。
ひなのは幸せになり、シシトは大きな夢を叶える事でしょう。

カネちゃんのお城は、まだ松本にあります。
これからも、頑張らないといけません。
祈りの魔法と共に。

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