648番目の静かな海
顔のない猫が波打ちぎわを歩いている
輪郭は歪んでいて
アスファルトに散る見知らぬ風景は
ぼくを溶かす酸性雨となる
もう手遅れなのよ、と君は言うけれど
雲の欠片を掴もうとして
頭からコンクリートに飛び込んだ
揺れるカーテンを背に
汗ばんだTシャツに包まれながら
途方に暮れる午後
最後の夏を迎えるのだと知った
いつも通りの日々
ぼくには名前も脈拍もありません
痛みだけが残っている
免罪のための言葉たちが羊水を揺蕩う
丁寧に丁寧に
648番目の静かな海
顔のない猫が波打ちぎわを歩いている
輪郭は歪んでいて
アスファルトに散る見知らぬ風景は
ぼくを溶かす酸性雨となる
もう手遅れなのよ、と君は言うけれど
雲の欠片を掴もうとして
頭からコンクリートに飛び込んだ
揺れるカーテンを背に
汗ばんだTシャツに包まれながら
途方に暮れる午後
最後の夏を迎えるのだと知った
いつも通りの日々
ぼくには名前も脈拍もありません
痛みだけが残っている
免罪のための言葉たちが羊水を揺蕩う
丁寧に丁寧に
648番目の静かな海