【超短編小説】じゅっ
六井 象
夜中、トイレに起きたら、真っ暗な廊下の真ん中で看護婦さんが、売店のビニール袋を振り回し、人魂を捕まえようとしていた。じゅっ、じゅっ。袋が人魂に触れるたび、そんな音がかすかに聞こえてきた。気づかれぬようそっとトイレに入った。誰の人魂なんだろう、などと考えていたら、何だかおしっこが出なかった。
【超短編小説】じゅっ
六井 象
夜中、トイレに起きたら、真っ暗な廊下の真ん中で看護婦さんが、売店のビニール袋を振り回し、人魂を捕まえようとしていた。じゅっ、じゅっ。袋が人魂に触れるたび、そんな音がかすかに聞こえてきた。気づかれぬようそっとトイレに入った。誰の人魂なんだろう、などと考えていたら、何だかおしっこが出なかった。
【超短編小説】じゅっ