名前のない気持ち
あたし、りっぱに立派に傷ついてる。
ちゃんとこころが心が痛い。
今はタイミングが合わなかったんだな、とか
自分もそんなに彼氏が欲しいわけじゃなかったし、とか
自分の気持ちごまかしてた。
目を背けてた。
被害を大きくしないよう、気持ちに蓋をした。
そして、急に現実感。
友達としてならこれからも2人で会える?
……バカじゃない。
何それ、あたしもそんな軽い女じゃないわ。
あー腹立つ。
先のこと言って、はぐらかされて、それで遠回しに遠慮されてる。
それを察すと、自分の気持ちも冷めていく。
それがわかるから余計苦しい。
今は、タイミングが合わなかったんだとか、
そんな正論、そんな綺麗事で、片付けられるほど、あたしは正気じゃない。
やらなきゃいけない事だって、ちゃんと、手につかない。ちゃんと頭に入らない。
奥歯をギュッと噛み締める。
あたしは、ちゃんと好きだった、
あたしは、ちゃんと傷ついて、ちゃんと苦しかった。ちゃんと痛かった。
未来なんて見えないまま、
時間だけが過ぎていく。
名前のない気持ち