【超短編小説】カブトムシ

六井 象

 兄の墓参りに行ったら、墓石にカブトムシやクワガタが群になってとまっていた。よく見ると、墓石から蜜のようなものが染み出している。そういえば、子どもの頃はカブトムシが大好きだったもんな、あいつ。生前は何かと忙しい人だったから、死んだ今、あの世で好きなことをやっているのかもしれない。まぁ、だからといって墓石にカブトムシを集めることはないと思うが。とりあえず、煙でいぶしてしまってはまずいと思ったので、線香はあげずに帰ってきた。今度からお供え物はスイカにしてやろう。

【超短編小説】カブトムシ

【超短編小説】カブトムシ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-12-01

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