19になってみてさ

19にやっと なってみてさ
今までに知らなかったことも分かったんだ
でも もう元に戻ってやり直せないんだってさ。

僕は辛くて 仕方なかったのさ
いつの日か君は全て忘れて朝を迎えたみたいで
あの日 目が合ったとき知らないふりをしたね。

泣いても笑っても言葉で言い表せなかったとき
僕も忘れてみてもいいのかなって思えたんだ
滅多に動かさない机の引き出しを開けて
何も言わずに無心で思い出を捨てたんだ。

遠い街から届いた手紙も
ノートの切れ端に描いてた絵も
そこにはもう無かった

1年がやっと 経ってみてさ
ようやく新しい生活にも慣れてきたんだ
何もかもを忘れて刹那的に生きていたのさ。

僕は幸せで 仕方なかったのさ
空いた穴を埋める様に生きていたみたいで
とある日 夢で君と出会ったとき知らないふりをしたね。

それでももう二度と話せないと思ったとき
僕は後先も考えないで手を掴んだんだ
表情を動かさない君の目を見つめて
愛していたこともう一度伝えたんだ。

泣いたか笑ったか君が何か言いかけたとき
僕は目覚まし時計のベルで起きたんだ
あの日以来触ってない机の引き出しを開けて
涙を流して僅かな思い出を探したんだ。

どれだけアルバムを捲っても
たった一枚さえの二人の写真も
そこにはもう無かった
ここにはもう無かった

19になってみてさ

19になってみてさ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-12-01

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted