動物のうた回想

陽風蓮華

今1番ハマっている歌を自分なりに解釈した
回想です。

難病に侵され、蝕まれたこの体。
残された生命の期限がもう迫っていることは、
充分承知だ。
延命治療や様々な薬を打ってきたが、もう手遅れだ。

だが、私は愚かだ。もう死ぬんだとわかっていながらも、まだ生きたい。生き足りないと、生への足掻きをみっともなく。自分でも馬鹿だと思う。

病気になって、痛みが体を蝕む中、家族を守れるだけでよかったと思っていたのに。

自分はどうなってもいいと思っていたのに。
お前は、会ったばかりのオレに死ぬな、死なないで、って言ってくれたよな。

ありがとう。

片足から崩れ落ちて、口に砂が入った。
もうボロボロな体を昨日の雨で濡れた芝生がしっとり包み込んでくれた。

あぁ。正直、死ぬのは怖いが、私を愛してくれた、私を慕ってくれた、花々に。

醜い姿を見られる前に、花が涙で濡れないうちにひっそりと死にたいものだ。

死んであの世へ行ったとしても、この体が無くなったとしても、この魂は誰にもやらん。
私のものだ。

こんな私に私じゃなきゃダメだと言ってくれた。
私にまだ死ぬのは早いだろって笑ってくれた。

似た者同士のお前のことを、私はずっと忘れない。
羽のついた小さな子どもが、私の隣で、
次の世界への案内を伴奏する。

もう、そのときが来たようだ。
だが、私は最後まで愚かだった。

生きたい、この願いだけはずっと。
さよなら、見苦しいまでに、私は馬鹿だった。

こんなに愛されていたのを、死ぬときに気づくだなんて。

動物のうた回想

動物のうた回想

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-11-29

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