マリー・ローランサン

マリー・ローランサン

    
    


      



剃刀に散る誰かの旅行記。女が遺していった十月の監獄はまだ暁に凝固する眠り。熱が浸みた部屋で独りマリー・ローランサンを眺めながら手淫に浸る。誰の魂もこびりついた白濁に忘れてゆく。窓を開けた。子供が二人、赤茶の看板、八百屋を横切る。不意に痙攣する頬にまだ生きられることを知る。


      

マリー・ローランサン

作品集1 http://slib.net/a/1845/
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マリー・ローランサン

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-11-28

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