耳笛

耳笛

時と風に流されて……

冷えた空色が風を運ぶと、
雲と一緒に落葉が流れる。

首周りが寂しくなるからと、
寝ていた襟を立て起こす。

冷たい頭にニットを乗せて、
ココもそろそろ冬支度。

ネコも風に耳を立て、
落葉と一緒に走り出す。

外はとても騒がしい、
やがて和尚も走り出す。

あと少し、
一年の区切りも終わる時。

耳も冷たく煩く思い、
ニットを深く被り直す。

いつものこの頃は、
不思議な耳笛の音がする。

海も山も踊り出し、
ネコも人も行ったり来たりで。

枯れた景色が淡い色に、
遠き春待ち過ごす耳笛と……

耳笛

耳笛

空色とネコと和尚さん。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-11-26

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