耳笛
時と風に流されて……
冷えた空色が風を運ぶと、
雲と一緒に落葉が流れる。
首周りが寂しくなるからと、
寝ていた襟を立て起こす。
冷たい頭にニットを乗せて、
ココもそろそろ冬支度。
ネコも風に耳を立て、
落葉と一緒に走り出す。
外はとても騒がしい、
やがて和尚も走り出す。
あと少し、
一年の区切りも終わる時。
耳も冷たく煩く思い、
ニットを深く被り直す。
いつものこの頃は、
不思議な耳笛の音がする。
海も山も踊り出し、
ネコも人も行ったり来たりで。
枯れた景色が淡い色に、
遠き春待ち過ごす耳笛と……
耳笛