日曜の夜

南漏斗

 明日は月曜日。提出する課題もテストもあるのに、まだ一つも片付いていない。スマホからは悲しいピアノの曲が垂れ流れてストーブで苦しい部屋の中を漂っては虚無に消えていく。おもむろに銀色の百円カッターを手に取る。チキ、チキ、チキ。まだ錆びついていないことを確認してから手首を下にして腕にニ、三回刃をすべらせる。ここに傷をつければ机に座ってなにかするときによく見える。力が弱かったのか刃は皮膚の表面に白く引っ掻いた跡を残しただけだった。カッターを握り直す。今度はもう少し強く。少しすると皮膚に赤く血の線が浮き出る。ところどころ線の上に点を持ったそれは、微かな痛みをもって存在を主張する。僕はここだよ。布団に体を投げる。しばらく傷を眺めたあと唇を押し当てる。左右に少し動かすと傷の凹凸がよくわかる。舌を少し出して傷をなめる。舌先に血の味を感じる。腕についたよだれを拭って布団に顔を押しつける。死にたい。

日曜の夜

日曜の夜

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-11-24

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