風が
霜月、
風が、高い木々を幹から揺らしている。
枝は、空を急ぐちぎれ雲の間を激しく行ったり来たりして、
鳥たちは、風に運ばれ舞い上がる。
羽根をまっすぐに伸ばし、乗っているのか、もてあそばれているのか。
鳥たちは少しも抵抗しない。
風の意志なのか、彼らの意志なのか。
どこへ行くのかを知っているのか、知ろうとはしないのか。
風は、木の葉を渦にして巻き上げ大笑いし細い枝をしならせるけれど、
鳥たちの翼は恐れない。
風の行く先が見えているのか、見ようとはしないのか。
それでも彼らは自由に吹き飛ばされる。
やがて、たどり着く。
風がやさしく息を止める瞬間、ふわりと降ろしてくれる場所に。
そこで羽根を休め温めるが、
また飛び立つ。
風が、舞い踊る空へ。
風が
(pralea vasileによるPixabayからの画像)