悲しきタイムカプセル、
僕は、刹那主義であった為に殆どの記憶が無かった
必要最低限はあるものの砂漠の砂粒ほどあった思い出は
日を数えるほど薄れて次第に消滅してしまった
中学のある日、それが堪らなく嫌で
何かに記録すればいい事に気付いた
まず写真だ それに文字だ 歌だ
無我夢中で生きていたから、それを数年後見てみたかったのだ
そうして今、中身を見つめると
二度と会えない友人や見ることの出来ない景色が悲しく思える
これでは未来に持っていけない
子どもだった僕が埋めた純粋なタイムカプセルは
複雑な現実に揉まれて大人になった僕には、重すぎたのだ
悲しきタイムカプセル、