シヴァとディーヴァⅣ

これちかうじょう

  1. 止まらない、止まらない
  2. おかえりなさい
  3. ご飯できてます
  4. お風呂沸いてます
  5. 布団あったかいです
  6. 明日は昼まで寝て居よう

恒例のいちゃいちゃ。
第四弾。

止まらない、止まらない

「冬至」
「んー?」
「…」
「おい、何目え閉じてるんだよ」
「…1回」
「うっせーわ、やだって言ったらどうすんだよ」
「…」
1回しちゃえば、2回も3回も同じなんだろうか、と俺は思うんだけど、
結ちゃんにとってはどうやら違うらしい。
つい今しがた、病院から帰ったら結ちゃんにおかえりなさいと言われた。
だからただいま、と言ったのだが、
それがどうにも嬉しかったのは俺だけだろうか。
「じゃあねえ、俺がリードするんじゃなくて、結ちゃんがしてみなよ」
「…」
「いいよ、別にさ。どこ触ってもいいし」
それが、禁句だったことは後になって分かる。
「…」
ごそごそ、と仰向けからうつ伏せになり、隣に陣取っていた俺に思い切り覆いかぶさったかと思えば、
「んんん」
俺からしたキスとは全く違う次元のキスをされてしまった。
舌が入ってくる。
唾液が飲み込み切れずに口からあふれ出る。
まではよかった。
「ちょ、」
結ちゃんの手がまるで俺の形(人として)を確かめるかのように頭のてっぺんから、
耳や首や鎖骨やらを探っていく。
「や、くすぐってー」
何か喋ってくれればいいのに、結ちゃんは無口である。
ただその顔を見てれば、あ、すげー興奮してるわ、と思わざるをえない。
「や、やだよ、そこは駄目」
「…大丈夫」
「大丈夫じゃねえって!あ、」
自分でも触ったことないっていう部分に触れられる。
俺が真っ赤になってしまう。
「冬至、」
「はひー」
「冬至」
「…あ、や、」
な、何だか、変なんだけど、気持ちいい…。
「ちょ、も、もう駄目、ストップ」
「…?」
「お前、やらしすぎ」
これ以上触られると俺がおかしくなっちゃう、というところでやめてもらった。
「本当にお前、俺のこと好きな」
「うん」
「正直でよろし」
離れれば寂しくて、触れられれば恥ずかしくて、という境目で俺はドギマギしている。
だから今日も枕を引き摺って、添い寝です。
触られるのは覚悟で、添い寝です。

おかえりなさい

帰ってきた。無事に、たどり着いた。

と、何故大袈裟に言うのかというと、
実は、藤原家の立地条件に問題があることに由来する。

郵便配達員、宅急便など、
そういった類のものが藤原家を見つけられないという悲惨な状況なのである。
これは十和子の家もそうで、
一ノ瀬家も藤原家も、その家の者(生粋の)でないと、
無事に帰って来れない、もしくは戻って来れないという、
不思議な話なのである。

実際、父は婿なので、3日も開ければ家に帰って来れない。
昔、同僚と飲み会があるとかで出かけた時、
酔いつぶれて3日経った時、家に帰って来れなかった。
父曰く、
「バス停までは帰って来れるんだけどなあ」
である。
だから忙しい母に代わって(母は生粋の藤原家の人間であるから)、
俺が迎えに行くということもたびたびあった。

そういうこともあって、冬至が無事に帰ってくる、ということは実に不思議なものなのである。
中村家の人間であり、藤原家の人間ではない。
しかも自転車で帰ってくるのだから、
むしろこれは奇跡に近いのだ。
学校や病院に一緒に行く、と俺が言い張るのも、
冬至がもしかして帰って来れないんじゃないかと危ぶんでいるからで、
それは困るので(俺だけだけれど)、
なるべく一緒に行動するようにしているのだが。
それを我儘だとか言われると、どうしようもない。

「おかえりなさい」
そう言える自分が、嬉しい。
と、思う。
「た、ただいま?」
何も言うまい。
無事に帰ってきてくれて嬉しいのは、
多分俺だけだから。

ご飯できてます

「ご飯」
できてる、と言うと冬至の目が輝く。
「今晩は何!何!」
「ハンバーグ」
付け合わせにポテトサラダ、と言う。
陣馬さん(職人さんの中の1人で、すごく優しいおばさんだ)が畑をやっているのだが、
そこでとれたじゃがいもを使った。
「わあい、ハンバーグハンバーグ!」
「…」
俺はドキドキしている。
また、ジャーを空っぽにするんだろうかとか、
もぐもぐ食べるその口元にさえ、
すごくどうしようもなくなるのだけれど。

お風呂沸いてます

「風呂沸いてる」
「至れり尽くせりだなおい!」
「先どうぞ」
「よしよし、潔癖な俺が綺麗になってやるよ」
そう、冬至は潔癖症であることが判明した。
部室を掃除するにあたっても、
あの掃除用具へのこだわりはすごいと思う。
俺が優勝してもらった30万でいろいろ買えると思うのだけれど、
箒やちりとり、
キッチンハイターやカビとりハイターなど、
そういう道具がいろいろ出てくるあの鞄はすごいと思う。
四次元鞄。

布団あったかいです

布団乾燥機、というものをよく使っている。
普段は学校なので布団を干せないからで、
土日は干せてもうちはうっそうと茂る森の中なので、
日差しが拝めないということもある。
それを使って、布団はいつもあたたかい状態になっている。
いつでも冬至が来てくれるように、と願いをこめて、
冬至が風呂に入っている間に使用する。
「…よし」
時々コードにひっかかって、派手に転ぶことは内緒だ。

明日は昼まで寝て居よう

土日、特に金曜日の夜と土曜日の夜、は、
明日の昼まで寝ていても大丈夫だなと思ったりもする。
こうして横に冬至が寝てくれると嬉しいし、
ちょっとだけ触りたいとも思うけれど、
すやすや寝ているのを邪魔してはいけないと理性を奮い立たせて、
俺も目を閉じる。
夢の中に入られてもいいと、
最近は思っている。
夢の中までも、逢いたいと思ってしまう。
だから、昼まで寝て居ようと言いたい。
聞いてないけれど。

シヴァとディーヴァⅣ

後半はいちゃいちゃじゃなくなってる…。
まあ、『キス解禁』と『お触り解禁』に結は大喜びです。
逆に冬至は冬至で触られると気持ちいい、と理解し始めます。
不器用な結ですが、
キスもお触りも上手なので、冬至がほだされるのは当たり前なんです。
そういうわけで、
今後ともお付き合いください。
時々いちゃいちゃさせますから…はははははははは。

シヴァとディーヴァⅣ

恒例のイチャイチャ。 第四弾。

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  • コメディ
  • 青年向け
更新日
登録日 2019-11-09

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