テロ対策は闇が深い!Victor
この話は『テロ対策は闇が深い!『Übermut』の続きです!(1話は『テロ対策は闇が深い!Able』)
※この話は『小説家になろう』にも載せます
※この話は『小説家になろう』では第二章にあたります
Victor
「南瀬さんと?」
深見は二人を見るとそう言った。すると南瀬は隣にいる女性を指差すと「この人は五十嵐上等。殺所の中じゃ二番目くらいに偉い人よ」と紹介した
するとそんな五十嵐の所に一人の男性職員が走ってきた。その男性職員も二人と同じようにサブマシンガンを持っていた……
「佐倉さんに話は通しました。ですが、既に負傷者がいるため遅れるそうです」
「分かった。では君達がお仲間を見てあげて!外は我々がやる」
五十嵐は深見と佐田にそう言うと、裏口に近付いた。そして「田屋、アレを頼む」と言った
五十嵐がそう言うと、田屋は「了解です」と言ってフラッシュバンを取り出した。そして安全ピンを引き抜くと、それを道路に投げ込んだ
「あの、南瀬さん」
「ん?どうした?」
深見が呼ぶと、南瀬はそう答えた。すると深見は「いま投げたのって何ですか?」と聞いてきた。なので南瀬は「フラッシュバンだよ。まぶしぃ~!ってさせるやつ」と説明した
するとそれを聞いた深見は言いづらそうにこう言った
「あの、道路には秋好さんと相澤さんがいるのですが……」
深見がそう言うと、南瀬は少しの間固まった。そして道路からバンッ!という爆発音が聞こえるとこう言った
「うん。まぁ、大丈夫でしょ。試したことないから知らんけど」
「いや適当過ぎません?」
深見は南瀬にそう突っ込んだ。けれど南瀬は「まぁまぁ、殺傷能力はゼロに等しいやつだから大丈夫よ」と言い、落ち着かせようとした。けれど深見は「殺傷能力あるんじゃないですか!」と二回目の突っ込みを入れた
『ダメだ。この人、相澤さんと同じタイプの人間だ』
深見がそう思ったときだった。突然誰かが話しかけてきた
「深見に佐田、大丈夫だったか?」
深見はそう言われると声のする方向を見た。するとそこには秋好がいた
「秋好さん、大丈夫なのですか?」
深見はそう言いながら秋好に駆け寄った。すると秋好は「あぁ、殺所の人が倒してくれたからな。相澤も少ししたらこっちに戻ってくると思うよ」と言った
「ね、大丈夫だったでしょ!」
南瀬は深見にそう言った。なので深見は「ですね」と答えた
「それで、杉谷は何があった?」
秋好は肩を押さえながら地面に座っている杉谷にそう聞いた。すると杉谷は「ちょっと敵の弾をくらいまして……」と言うと、傷口を押さえていた手を秋好に見せた
「現場はここ?」
突然本館の方から佐倉が走ってやってきた。佐倉は杉谷を見ると「歩けますか?」と聞いた。すると杉谷は「えぇ、足はやられてないので」と言うと立ち上がった
「では、ゆっくりでいいので此方に……」
佐倉はそう言うと杉谷を本館へと連れていった……
「はぁ、死ぬかと思った……」
相澤は皆のいる所に来るとそう言った。するとそんな相澤に秋好は「俺はちゃんと引け!って指示出したぞ」と言った。すると相澤は「それで引けたら苦労しませんよ」と言った
「えっと、相澤は何があったんですか?」
道路側で起きた出来事を知らない佐田は、秋好と相澤にそう聞いた。すると秋好は相澤の肩を軽く叩きながらこう言った
「制圧のために使われたフラッシュバンをくらっちゃってね。しばらくフラフラだったんだよ」
秋好がそう言うと、近くにいた南瀬が「アホやん!」と言って笑いだした。するとそんな南瀬に相澤は「笑い事のように言いますけど、こっちはマジでヤバかったんですよ。今は大丈夫ですけど……」と言った
「フラッシュバンくらうとか戦闘初心者か!」
南瀬はそう言うとまた笑い始めた。相澤は「戦闘初心者だよ!てかテロ対策部じたい、戦闘する部署じゃないわ!」と言いたかったが、他の部署と問題を起こすと面倒なことになるため、言うのをやめた
「さて、じゃあ終わったようだし私は正面門に行くわ」
南瀬はテロ対策部の対策官達にそう言うと、この場を立ち去ろうとした。すると深見は南瀬に「ありがとうございました」とお礼を言った
「良いってことよ。別に私は雑談してただけだし…… お礼は五十嵐上等と田屋にしてあげて!」
南瀬はそう言うと正面門へと行ってしまった
「それじゃあ俺らも元の任務につこう」
秋好はそう言うと部下達を見た。部下達は今の一戦でかなり疲れが出ていた。けれど、今も殺所の職員が正面門付近で戦っているため、自分達だけが休むわけにもいかなかった
「佐田はもう一つの裏口に行ってくれ。他はここで待機!」
秋好がそう指示を出すと、部下達は「了解!」と行って次の戦いに備えて用意をし始めた
『次、こんな戦いがあったらマジで死人が出るな……』
秋好はさっきの戦いを振りかえるとそう思った
テロ対策は闇が深い!Victor
五十嵐魅央(いがらしみお)
上等管理官
武器……サブマシンガン
拳銃