アムール~2人の恋のレシピ~

ヤリクリー

注意事項
①米印はト書きです。読まないでください。
②カッコ内は読んでください。
③この作品は、男性1人、女性1人の2人声劇です。

アムール~2人の恋のレシピ~

〔登場人物〕
男性:義直
女性:蓮


(※ここは、スリーピングボイス。温泉旅行で一部の執事たちが不在の中、勤務を終えた2人の執事が帰路についていた。)

蓮:急なお願いを聞いてもらって、本当に申し訳ありません。

義直さんの家に泊めてもらえるだなんて。

義直:なぁに、問題ないさ。家に帰ってもどうせ1人でぐグダグダ過ごしているだけだから、ゲストが来てくれるだけで嬉しいよ。

蓮:うふっ♡ありがとうございます♡

義直:(こう話してみると、案外可愛いんだな。この瞬間ですら楽しすぎる。)

夕飯はどうする?この後、スーパーにでも寄ろうかなと思っててね。

蓮:では、私もお供いたします。


(※スーパーマーケットで買い物をする2人。)

義直:今日はちょっとガッツリ食べたいから、カツにでもしようか。ヒレ肉の小さいサイズが売っているから、それを使いますか。

蓮:義直さんも、自炊はするのですか?

義直:するよ。親父が3つ星の料亭の総料理長でね。今は俺の弟がその後を継いでいる。いちよ、俺も親父の教えは徹底的に受けていたし、時間があったり店が忙しい時は俺も厨房で手伝っていたりしたもんだ。二十歳になるかならないかあたりで少しぐれてね。勉強は出来た方だよ。いちよ大学には行っていたし。スポーツ推薦でね。

蓮:確か、ウインターカップの覇者のキャプテン。

義直:そうだよ。

こう話していると、結構エリートっぽくない?料理はうまいし頭もいいしバスケもできるし。今でも、時々バスケはしているけどね。

蓮:カッコいいです。

義直:後は、明日以降の食材も調達して。

蓮も、何か欲しかったら言えよ。奢ってやるから。

蓮:はい!ありがとうございます!!


(※買い物を終え、義直の家へ。)

義直:そういえばだけど、蓮は何故ここで働いているんだ?前いたホテルで働いていた方が良かったんじゃないのか?

蓮:…。

義直:?

蓮:ほぼ軟禁状態でした。

義直:…と言うと??

蓮:雑誌やテレビの取材でインタビューに時々答える程度で、ほぼ表に顔を出していないんです。お客様の生の声を聞きたくても、どうしても紙媒体が主になってしまうので、お客様の本当の気持ちが分からないのです。表に出たいと思っても、厨房で指示を出したり自分で調理をしたりと籠りっきりなので、外の空気を吸ってみたかったのです。

それで、いつぞやの帰りにこの屋敷が開く前、スタッフ募集のところで“厨房担当募集”の張り紙があったので応募してみたんです。
そうすると、厨房担当でも時々表に出られると言ってくれたので決めました。執事の格好をするのは未だに慣れませんが、それでも“新たな自分に出逢える”と思えば、“お客様と直接触れ合えて声が聴けるのであれば”と思うとやる気が湧くんです。

義直:なるほどね。

そんなこんなで、俺の家に着いたよ。あのマンションさ。

蓮:お、お邪魔します…。


(※義直の家にお邪魔する蓮。)

蓮:き、キレイ…。

義直:さぁ、上がって。とりあえず、さっき買ったものをしまわないとね。

蓮:そうですね。

義直:先に着替えて、テレビでも見てリラックスしててね。すぐに料理するから。

(やべ、ハヤシライスを食おうとしてルーだけは用意していたんだ…。

ま、いっか。)

蓮:はい。

義直:着替えが終わったから、とりあえずカツの用意でもしようか。

油を先に用意して、野菜を細かく切ってまとめてと。ヒレ肉を一口サイズにカットして、下味をつけてを付けて少し待つ。その間にビーフシチューを温めてと。カツを焼き揚げ状態にして…。おっと、油がはねた。きちんと中まで火を通して。

そして、刻んだ野菜を炒めてご飯を投入。塩コショウでいいかな?ケチャップを入れると味がうるさいもんね。よし、これでOK♪残りの野菜はコンソメスープにして。

蓮:いい匂いがしますね♪

義直:待ってろぉ~?とびきりのを用意してやるからな。

蓮:あ、明日も晴れる!寒いのは変わりありませんが。(笑)

義直:オムレツと先ほどのチャーハンもどきをまとめて…。 イケっ!
よし!まとまった!

もう一個もまとまった!完璧!
オムライス風にして、カツを添えて先ほどのビーフシチューをかけてと。

“蓮さん、できましたよ!!”

蓮:は~い♡

わぁ!おいしそう!!

義直:ビーフオムライスのヒレカツ添えとコンソメスープです。召し上がれ♪

蓮:頂きます。

ん!おいしい!!

義直:(流石は俺。自画自賛するに値する美味しさだね。)

食べ終わったら、すぐにお風呂入れますね。

蓮:あ、ありがとうございます…。

(何だろう、義直さん素敵…。私、彼と一緒に暮らしてみてもいいかも。)

義直:いつぶりだろう?身内にこんなご馳走を用意したこと。


(※お風呂を入れている最中、少し談笑。)

蓮:義直さんの家、本当に綺麗ですね。

義直:まぁな。でも、そろそろ一軒家に住みたいんだ。部屋が少し足りないと思えてきててね。

蓮:なるほど。

義直:れんの家はどうなってるんだ?あまり他の部署のスタッフとは話もしないし。

蓮:基本は屋敷の近くのスタッフ専用宿舎で寝泊まりしています。でも、そろそろマイホームがほしいなぁ。なんて思ったりしているんです。

義直:ふ~ん。

“良かったら、俺と一緒に暮らさない?”(ポソっ)

蓮:いいですね。

…て、え?!

義直:一軒家は欲しいけど、自分一人では広すぎるかな?ってね。

蓮:え…。

義直:“同棲をしながら、僕とお付き合いさせていただけませんか?”

れんの手料理も、僕限定メニューとか作ってほしい。家事も洗濯とか掃除をやるからさ。

蓮:なら、よしなおにお願いしようかな♪

義直:明日も早いんだろ?尚登たちのお土産に期待しながら頑張ろうぜ♪

蓮:うん!!


(※2人とも入浴を終え明日の用意をし、就寝へ。)

義直:蓮。

“今日も一日御疲れ様。”

蓮:義直さん。…いえ、

“あなた♡今日も一日お疲れ様でした。私はもう寝ますわ。起きていられませんもの。”

義直:アハハ。

“俺もだ。寝よう。”

蓮:“おやすみなさい、あなた。

愛しています♡”

義直:“蓮、また明日な。

愛しているぜ。”

蓮:ん…♡

義直:ん…。


(※2人は、幸せに包まれながら眠りについた。)

義直:んぁ、良く寝た。

蓮、時間だぞ。起きろ。遅刻するぞ。

蓮:ん。(ムニャムニャ)

あなた、おはようございます。

義直:着替えて、ささっと朝食を食べたら出勤だぞ。

蓮:はい!


(※それから数年後。)

義直:なぁ、蓮。

蓮:はい、あなた。

義直:今日はきれいな夜空だね。ここまで月や星がはっきりと見えるだなんて、いつぶりになるんだろうな。

蓮:えぇ、そうですね。

(なんて綺麗なのかしら…♡)

義直:その…、それでさ。

蓮:?

義直:ん、これ。

まだ渡していなかったね。

蓮:あ、これは…♡

義直:結婚指輪だよ。

“僕と、結婚してください。”

蓮:♡

義直:これから、僕とよろしくお願いします!!

蓮:はい!こんな私でよろしければ!!

“これからも、よろしく願いしますね♡”


(※温泉旅行の一行が帰宅。結婚式を終え、通常業務のスリーピングボイス。)

義直:それじゃあ、今日も厨房は任せたよ。

“明日は、俺たちと一緒にお嬢様をもてなそう!”

蓮:“はい!頑張ります!!”

アムール~2人の恋のレシピ~

タイトルの解説
・アムール(amour)とは、フランス語で「愛、恋」という意味の男性名詞である。
(※出典:『すぐに役立つフランス語の基本単語集』 Sahara Takao,2019 ナツメ社 238頁)

アムール~2人の恋のレシピ~

執事喫茶スピンオフシリーズ最新作!今回は、2人の執事の恋愛模様を描きました。料理上手な2人の淡い恋物語を、どうぞごゆっくりお召し上がりください!

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-11-08

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