調節の針

ぷれせぺ

喉を締め付けてたベルトが
すっと、飛んだ感じがしました
私共の中にあるメーターが
ゆるりと、溶けた気がしました
動けなくしていた靴紐が
ぽたぽたと、こぼれたように思いました

僕は考えました
僕だけの世界は僕だけのものではないならと
朝、水銀の壁に差し込むスプーンも
昼、空いたバックパックを再び詰めるのも
夜、ひとすくいの海に沈むのも
これがそういうふうに、繰り返されるのも

僕は考えました
僕だけの世界は君のものでもなければと
君が僕の重荷を半分にして
悲しみを2人のものにしてくれるように
君が僕を置いてたったひとりで
悲しみをわけられずに黙ることがないように

調節の針

調節の針

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-11-08

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