心の病気

クソッ
薬で俺の心をどうにかできると思うなよ？
薬で俺の心の何が変わる？埋まるのだ？
何も埋まらないだろうがっ！
穴が開いてんだよ！慰めにはなるんだろうが、
それで俺の心の穴をどうこうしようと思うなよ！
俺は薬は使わねえで、治す。薬は使わねえ。
そんで傷のルーツを全部解明し尽されたって、
俺の心は埋まらねえ、卓上の論理で治せねえ。
俺の心には、「穴」が、開いてんだよ！
分かるか？「穴」！だよ。
穴に薬を放り込んだところでどうなる？
落ちていくだけだろうが、塞ぐもんがなければ。
蓋もしねえで、慰めだけ放り込んでいったって、
滑り落ちて消えていってしまうだけなんだよ。
俺が欲しいのは、蓋なんだ。止め金なんだ。
心の傷で、滑り落ちていく愛情やら信頼やら
もろもろの心情を掬い上げられる
尚且つ受け止められるだけの器が、俺は欲しいんだよ。
理解できるか！？お前に理解できるのか？
白衣だけ着て中身を見ようとしない
人間味のない瞳を持ったお前に。
何が、分かるんだ？
協調性ってもんを、もっと持てよ。
そうして病人に手を差し伸べてくれよ。

何が分かるんだ。
何が分かるんだ。
お前に何が分かるんだ。
心の病気になったこともないくせに。
お前に何が分かるんだ。
心に穴が開いたこともないくせに。
医者に何がわかるんだ。
学習しか、しなかっただろうに。
痛みを分かることができるのか。
現実を上手く渡ってきたくせに。
お前に何が分かるんだ。

痛みの分かる医者になれ。
もっとボロクソに傷付け。
全身傷だらけになれ、包帯でグルングルン巻きにされろ。
そうしなきゃ、俺の気持ちは分からねえ。
現実知ってる医者に、言ってんじゃねーぞ！
患者傷付けた人間に言ってんだぞ！
その傷がやがてお前のものになる。
追いかけられて、追いかけられて。
そして、追い詰められる。
やがて本物の病人になる。

心の穴に薬をつけるなっ！
それで曖昧にごまかすな！
お前らの隙は、俺が踏み潰してやるぞ。
いつか破壊してやる。

そうやって、情緒不安定の松友さんは、
落ち着いて就寝についたのでした。