そうだよ、そこに青い雪

ちひろ

雪の中から顔が見える

雪の中で、あの子が呼んでる

桜が散って、セミが鳴いで、金木犀が枝になった頃

あの子が昔こう言った、「明日には、逢えるから。だから、それまで待って。」

雪が溶けて、辺りがピンク色になった時、もうそろそろかと思ったけど、

夏の陽射しが照り付けても、明日はいつまで経っても来なかった。

もうすぐで、また、あの金木犀の香りをかげるけど、あなたが居なかったら、それはただのなんでもない秋の終わり。

あなたが残してくれたのは、あの冬の、雪が降ったあの日、強く照り返す陽射しを浴びて、雪が反射した。

「あぁ、眩しい」

あなたがそう言ったから、雪は溶けて一足先に春に向かった。

私が今も、ここにいるのは、叶わないことが、いつまで経っても願えるということ。

明日も、明後日も、鳥が西へ渡っても、私はずっとここで願ってるけど、

もう、戻ってこなくても、そうだね。私はここにいるよ。

そうだよ、そこに青い雪

そうだよ、そこに青い雪

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-11-01

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