ひとは昇った

ひとは昇った

短歌七首

    
    


      




気を病みて

一日ごとの荒れ野 立つ

呼ぶ声もなく 金色のひと




さよならだけじゃせつなくて 

   おやすみに

     名前をつけて

 眠りゆく夏




離れても探してる星みつからず

「神さまずるい」

        まもなく夜明け




「リルとあたし、病気、治りますように」

    時の漆黒

短冊の露




「いつもこんな夜なのです」

届ける日

傾(なだ)れるままに なきひとの跡




懐かしく思い出して

懐かしさは

忘れゆくため

生き残るため




ひと出会い

ひと乞い尽くし

ひと

終を

ひと裏切らず

ひとは昇った


      

ひとは昇った

作品集1 http://slib.net/a/1845/
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

ひとは昇った

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-10-29

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted