ひとは昇った
短歌七首
気を病みて
一日ごとの荒れ野 立つ
呼ぶ声もなく 金色のひと
さよならだけじゃせつなくて
おやすみに
名前をつけて
眠りゆく夏
離れても探してる星みつからず
「神さまずるい」
まもなく夜明け
「リルとあたし、病気、治りますように」
時の漆黒
短冊の露
「いつもこんな夜なのです」
届ける日
傾(なだ)れるままに なきひとの跡
懐かしく思い出して
懐かしさは
忘れゆくため
生き残るため
ひと出会い
ひと乞い尽くし
ひと
終を
ひと裏切らず
ひとは昇った
ひとは昇った
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