這う

駅を泳ぐごみ屑だって

嘗ては中身が確かに有った

嗄れた歔欷で雌花は萎む

煤けた車輪に死が浸透する

不揃いの倫理が眼球を蝕む

無視した膿が拡がっていく

此処にいる有象無象の

帰る家は無い

這う

這う

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-10-28

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