渡逢 遥
駅を泳ぐごみ屑だって
嘗ては中身が確かに有った
嗄れた歔欷で雌花は萎む
煤けた車輪に死が浸透する
不揃いの倫理が眼球を蝕む
無視した膿が拡がっていく
此処にいる有象無象の
帰る家は無い
這う
渡逢 遥言葉に酔いしれよう
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