すすき

あさ 目がさめて 気づいてしまったのです
きょうのわたしは ちょっとだけ よわい
起き上がろうにも
きょうのわたしはよわいのだから
天井にのばした 手のひらを見つめることで
そのことを確かめるしかないのです
ああ ずっとむかし あのひんやりとした寝室の
せまい布団のなかで わたしをあたためてくれた
わたしの愛する
愛する お母さん
この左うでは いまもう
どこも傷だらけになってしまいました
どうか みないでください
どうか わたしのことは
あきらめてください
ああ なにもできない わたしの左うでは
すすきのようにぼうっとして
つめたいかぜにそよぐ

すすき

すすき

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-10-26

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