後ろの大人たち
空を飛んだ
空を飛んだ
後ろを沢山の大人達、皆が口を揃えてこう言った「ほら、だから言ったのに。皆がもっと守ってあげなくちゃいけなかった」
私が生きてた頃、
大人達は皆私を守ろうと必死だった。
いつも大人が私の後ろにいて、付いて回った。
空を飛び終えた頃、大きな境の向こう側に、とすんと落ちた。
まばら、まばらに人がいて、程よい距離の空間は、窮屈さが無くって居心地さえいいと思った。
歩いて、歩いたけど、すーっと身が軽いかのように足取りが進んでって、
あぁ、もう二度と境の向こう側には行きたくないな。なんてそう思った。
ふと、少し前の出来事を思い出して、ぎゅうぎゅうに身を寄せ合った大人達が、ああでもない、こうでもない、私達が守るから、とよく言っていた。
けど、今周りを見渡したら、皆が前だけを向いていて、軽い足取りで、すーっと進んでいくのしか見えなくって。
あそこは、窮屈だったから、守ってくれる人は、時に自分を苦しめるから、ここに来て少し物知りになったこと、優越になった。
ここから、また、違うところに向かって、空を飛ぶことができるけど、もうここでいいかな。なんて。
生きるのは、何回でも、自由だから、また新しいところに行きたくなったら行くよ。
後ろの大人たち