痛みしかいらない

渡逢 遥

なにが痛みがわからない

常になにかを悼みたい

緩い安堵に嘲られ

温い夜風に撫でられる

ああ、無機質でいられたら

ああ、無機物になれたなら

夜がどんなに愉しいことか!

天使の牙はすべてを砕き

閻魔の善意は透明な薬

きょうもきょうとて愚かなわたしは

視えない鎮痛剤の餌食だ

消えない毒牙の跡を持つ者よ

決して解放されると思うな!

ただ趨勢を見つめ続け

空と海とを信じなさい!

痛みしかいらない

痛みしかいらない

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-10-23

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