夜道と手のひら

夢を見た
幾つもの星が降る夢を見た 
頂上で光る色のない瞬きが
僕たちを誘っている

どの筋が正解なのかはわからない
誰がどれを選んでも
僕は

夢を見る
幾つもの傷が滴る夢を見る
トラップを撒いた赤のない偽者が
僕だけを狙っている


貴方の頭の花瓶から水滴が落下して
たくさんの花が揺れ踊って
香りはどこまでも広がって
僕の脳に入り込み 命令する


どの花が正解なのかはわからない
誰が誰を選んでも 
僕は

眼前の現実しか愛さない

夜道と手のひら

夜道と手のひら

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-10-19

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