裁判3 独白

中二か?!
自分で思った

今まであった浮遊感が急になくなって、開かないはずの目が開く。そこは無人の…裁判所??

俺は死んだはずだった。なのに、今俺は裁判所の裁判長席にいる。これはどういう状況だ…。

一人、ひとりぼっち、寂しいな…。あいつがそばに居た時にはなくて、あいつを失った時から感じる喪失感とは違う孤独感。

そう、あいつは忘れてしまった。俺のことは全部。それで、今の恋人と付き合い始めた。

悲しかった。あいつにとって、俺はそんなもんだったんだろうし、あいつの恋人もあいつと俺が付き合ってる時からアイツのことが好きだったんだ。きっと二人で幸せになる。そう思えばなんとか我慢できた。

そんなある日。俺は一人で道路を歩いていた。あいつににたこどもがあるっていた。その子供を見た時点で俺の最後は決まっていたんだ。

その子供に、向かってトラックが突っ込んでくる。その子供があいつに見える。あいつが引かれる…。そう思ってしまったらもう俺は走るだけ。無意識に走り出した結果俺は、死んだ。あの子は助かったのだろうか。

ふと逸らした視線の先。その先にはあいつの恋人が居た。なんて顔してんだ。そして、被告人席に目を向ければあいつが居た。虚空を見つめる彼の視線と視線を絡ませる。

 そうここは裁判所。あいつの罪は俺を忘れたこと。なんて俺の都合のいい夢か…。夢なら何言っても構わないよな…。でもあの子が

「彼は悪くないの、彼を奪わないで、私が、私が悪いの」

あぁ、俺はあいつを連れていきたかったのか…?でもなにか違うんだ。
俺は…俺は…!!

”大丈夫、お前たちは幸せになれよ??”

その子のお陰で分かった。優しく微笑めただろうか。驚いた表情のその子は泣きそうだ。泣くなよ、俺だって泣きたいさ、

ふっと消えたその子の後をしばらく見つめあいつに目を移す。

俺があいつを見た瞬間、あいつも顔を上げ見つめ合う形になる。
あいつの後悔して諦めたような顔。俺の見たいのはそんな顔ではない。

お前がそんな顔するのは俺に対する愛情か、罪悪感か。
どちらもいらない、俺は死んだ人間なんだ。お前が、感情を俺につぎ込んだところでどうにもならないんだ。

だけどそれではあいつは納得しない。だったら、俺は俺らしく判決を下そう

”お前は有罪。罰は生きること”

すがるようなあいつの表情。あいつもあの子みたいに、消えるのか

”幸せになれよ”
泣きそうだ、俺笑えてるかな。

あいつが消えてから柄にもなく泣いた。泣き止んだところに何者かが
ここに入ってきた

裁判3 独白

裁判3 独白

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-10-27

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