めぐりあい

人生には巡り会いの欠片しかない。
それは音楽だって詩だって言葉だって、なんだってきっとそう。

「夢は言葉にした時に目標に変わる」
いい言葉だね。

「過去の意味は変えられる」
いい動画だったね。

きっと完成はしないけど欠けてる場所を少しづつ埋めつづける。探しつづける。


ねぇ本当に欠けてるのかな。どういうこと?もしかしたら何も欠けてなんかいないんじゃないかしら。じゃあどうしてこんなに何かを求めてしまうの?もし欠けていないのなら完成してるってことじゃない。そうなんだよ、きっと。完成してるんだ。不完全さが最終地点なんだ。どこにもないものを求めることで完成なんだ。


失ってしまったものがある。ううん。失ってしまったものがあったと信じてるだけ。それがかつてはあったと信じてる。風化してしまっているだけ。埃をかぶっているだけ。奥底にしまってあるだけ。探そうとは思わない。あったという曖昧な記憶だけでいい。証拠なんかいらない。なかったかもしれない証拠なんかいらない。


明日には忘れてる、こんな考えは。ちょっと熱病に冒されただけと言って忘れる。いつものように。忘れてるふり?さぁ、どっちならいいの?


少しだけ信じてみようよ?なにを?自分を。これ以上失いたくないんだ。このままじゃ本当に忘れていってしまうよ。自分を信じてみるだけでいいんだ。それだけなんだ。それだけなんだよ。たったそれだけ。


うん、いいよ、やってみる。そうしよう。ねぇ?なに?自分なんてどこにあるの?知らないの?最初からずっといるんだよ。そうやって信じてるんだよ。

めぐりあい

めぐりあい

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-10-13

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