欠乏

黒い冷たい冷たい冷めた月
早く何処かへ辿り着かなきゃ

明日は
座って窓を眺めたい
流れる街が
あの日の街が
暗転している

歩かせろ 歩かせろよ

どんどん寡黙になっていく 
私の影を捕まえにおいで

語れなくなった肩に価値は無くなり
またふらりふわりと大蛇に乗るだけの旅人に

見てください
このバラバラの 


真剣だよ
これからは
もう何も語れない

欠乏

欠乏

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-10-13

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