好き嫌い

好き嫌い

見つめる先は、過去と今の音……


耳から入って残ったものは、
瞼の裏で投影されてゆく。

人はそれを思い出と言う、
苦い思い出かもしれないが
世の中は悪い事ばかりではない。

人の脳は不思議で繊細、
どんな嘘つきや愚か者でも
己の脳を騙せやしない。

良い光景は音で記録され、
悪いものには蓋をする。
多人数より二人称、
誤魔化せなかった己が居たから。

悩んだり迷ったり、
笑って居たり僧もあったり。
何気なく見て居たものは、
耳から入り瞼の裏に焼き付いて
経験とトラウマに再生される。

振り返るなと誰かは言うが、
脳のためには再生しろと
己のためにこれからのために。
良い音を感じたら、
必ず振り返るのも大切な小休憩。

だからまた、ここに居る……

瞼の裏と目の前が重なる場所、
海を眺める自分の背中。

好きでも嫌いでもない、
再生するより人が居ない
少し狭く感じた海岸沿い。

海の音を懐かしく思いながら、
遠いこれからを好きになるために。

好き嫌い

好き嫌い

見つめる音は、過去と今を重ねる時……

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-10-12

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