【連載】生涯青春ラケットとジェットの物語 031

万田 竜人(まんだ りゅうじん)

031 防衛環境省というビジョン展開

新聞記事に目を通していると・・・

「千葉台風の検証へ初会合」という小見出しで、政府として年内に報告書をまとめる
主旨の記事が掲載されていた。

読売新聞の2019年10月3日の夕刊によれば・・・

政府は3日午前、千葉県で大規模停電を引き起こした台風15号をめぐり、東京電力
や国、地方自治体などの初動対応の問題点を調べる検証チーム (座長 杉田和博
官房副長官)の初会合を首相官邸で開いた。
(年内に報告を取りまとめるとしている)。

検証チームは総務・厚生労働・防衛・内閣府など関係省庁の局長らが委員を務める。
初会合には菅官房長官が出席し「教訓を踏まえ、防災・減災対策の一層の改善につ
なげる」と述べた。

論点として、長期停電や通信障害についての復旧作業の適切さや、国や地方自治体
の初動対応を挙げた。

この記事を観ていて感じたことは、未来に向けて、菅官房長官の鋭敏な触角が何かを
捉えたものと受け止めた(これはエポックメーキングにつながるかもしれない)。

今、この時期に自然災害の激甚化に向けて、初動対応の問題点を調べる検証チーム
を起動させることは、極めて有意義なことと考える。

最近の台風の猛威は、我々の想像を越えてきており、我々が棲んでいる地域でも近郊
の彩の森入間公園では毎年のように大きな木々がなぎ倒されており、今回の千葉県に
おける暴風雨の予測を越えた被害の大きさも、身近な問題として想像出来る。

東京首都圏の一角を成す千葉県の地域性から、想像出来ることは、2020年東京五輪
の開催時期に、同じ規模の大型台風が予想されたときに、当然のこととして・・・

◯日本の気象庁は、世界各地の予測も視野に入れて、日本の立場から台風を予測する

◯東京首都圏の各知事と国の首脳は、当然、初動対応に向けた対策を練る

◯首都圏の防災機関は、自衛隊などとも連携をとり、万全の体制を取る

などのことは容易に想像出来る。

今回の千葉台風は、これらの台風の予測から、初動対応までの一貫した対応の重要性
を示唆する点が多々あったが、これは、首都圏に限ったことではない。

千葉台風は、日本における台風被害の規模の大きさにパラダイム・シフトが起きている
ことを、我々に的確に伝えてきている。

千葉県には地域の特性として、人が大勢住んでいる都市部や人気のない過疎の山間部
そして海岸地域など構成は多様で、今回起きている送電線の復旧問題などは日本全国
に共通した問題点を露呈させたと云って良い。

今回は、東京首都圏ということもあって復旧に期間を要したとはいえ、地方の山間部など
に比べたら、復旧までの期間は速いと云う見方も出来る。これが地方の山間部の山奥の
送電線が遮断された場合を想定したら、これほどまでに早い復旧が出来たであろうか?

今回、千葉県における台風被害で問題になったのは人間の住んでいない山間部におけ
る鉄塔の倒壊などの発見遅れであったが、ここに、これからの日本の大型台風に対する
台風の予想から初動対応までの「パラダイム・シフトの必要性」が示唆されている。

最近の国連総会でも、温暖化への警告が盛んに行われていたが、米国や中国と云った
超大国が積極的な対策を取ろうとしていないことが、現実問題として大きな存在感を示し
ており、それが改善される見通しは、現状ではほど遠いという状況にある。

しかし、現在、日本が置かれた状況は・・・

「暑さ寒さは彼岸まで」という名言が死語になるほどの温暖化を迎えており、年々台風も
超大型化してきており千葉県を襲った台風の猛威は、もはや、パラダイム・シフト化して、
現在の日本の風水害対策における初動対応を機能不全にしている。

要するに、この機能不全の状況から脱するには、大型台風などへの抜本策として次の様
な科学的な仕組み(システム)が必要であると考える。

◯先ず、台風予測において、気象庁の予報官は、首相官邸の危機管理室とホットライン
をつないで、地域の防災機関や自衛隊などに、的確な台風情報が伝わるように仕組み
として構築しておく

◯台風上陸後は安倍首相が最近になって披露した航空宇宙域の自衛隊による鳥瞰図
的な空域からの現地把握により、人間の住んでいない過疎地域を含めて、早期に被害
状況を解析する

◯各地域の防災機関や自衛隊は、国の危機管理室や地域の首長と連絡をとりながら
災害地域に出動する(いわば、トップダウン的な初動対応を必要としている)

そのためには、トップダウン的な設計的デザインとして、省庁の機関も防衛省と環境省を
合体させた「防衛環境省」のようなハイブリット的なビジョン展開が必要である。

◯防衛省も「不戦のための自衛隊法」の制定を想定した時に抑止力の維持管理が重要
であり、空域や海域においては閾といわれるギリギリの状況において戦闘を回避させる
過酷な状況に直面している。

◯しかし、陸域においては、実質的な活動として大規模な地震や大型台風などの被災
地に向けての支援活動が大きな要素になってきており、これらの自然災害については
抑止力はなく、発生した被害への俊敏な行動が最も重要な任務になってくる。

◯したがって、現状で自衛隊は、外敵からの戦闘行為に対する防衛対応よりも実質的
に大規模地震や自然災害の猛威に対する俊敏な行動こそが主力任務になりつつある
と云える(したがって、陸上自衛隊の費用を防衛費に計上することには、疑問がある)

◯一方で、環境省についても、温暖化に向けた対策案の検討など、温暖化の抑止など
に向けた計画面での活動に主力が置かれているが、これらの対策の不徹底さが温暖化
を招いており、温暖化による台風被害などが尋常でない猛威になりつつある

◯したがって、環境省においても、被災現場での対応に一翼を担うように組織化しないと、
温暖化抑制などへの本気度が高まらないと推測する

このようなことを考えると、防衛省も環境省も「抑止に向けた機関」に留まることなく、実際
に起きてしまっている大災害に正面から立ち向かうことが出来るような組織体制に向けて
パラダイム・シフトしないと日本の国土強靭化対策は、本物にならないと考える。

環境省も若手の大臣を迎え、政府としても、大いに活躍出来る舞台を構築して、日本の
未来を多くの若手議員に託したいものである。

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前回と同様に、背中に翼を背負った女神とアトキンス博士が、超軽量ヘリコプターに
乗って、我が家を訪問された。

女神「先日、お伺いした時に、貴方との間で宿題となった、貴方流の三段論法を聞かせて
もらいに、再度、お訪ねしてみました」

博士「三段論法といっても、一般的な意味での三段論法ではなくて、日本国憲法における
自衛隊の在り方を三つの層に掘り下げて行って、思考を深めようという意味合いです、と
云われていましたが、今日は、時間に余裕がありますので、ゆっくりと聞かせて下さい」

小生「それでは、最初に、概略の展開を紹介させていただきます」

◯一つ目の層は、日本国憲法では「不戦」を誓約しており、これは日本が世界に約束して
いる顔のようなものです(平和主義を主軸においた笑顔の層です)
この層に、自衛隊の存在を記述するか? 否か? が論点になっています

◯二つ目の層は、自衛隊の明確な性格付けと位置付けです。ここ、70年間超「抑止力」に
重点をおいたきた組織で、今「不戦のための自衛隊法」の制定が必要になってきています

一方で、国民からの自衛隊に向けた期待感は、地震や台風時の災害復旧への支援であり
国土強靭化計画と合わせて、その期待感は増すばかりです
(これについての、より詳しい内容は、前述した通りです)

◯三つ目の層は、国連憲章とのからみで、平和主義を貫く日本独自の考え方が重要であり、
遠い将来において、日本が、国連の常任理事国に推挙されたときに、極めて重要な論点に
なってくる部分であり、多くの論点を抱えているので、追って詳しく記述して行きます

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ここからは、詳細な話題に、移行して行く・・・

小生「先ずは、一つ目の層と二つ目の層に、フォーカスして、お話しさせていただきます」

小生「一つ目の層として、日本国憲法における『不戦』の誓約を大前提に置いた場合に、
二つ目の層である『不戦のための自衛隊法』の制定について重要性を前述しましたが、
その際に、現状において大活躍している自衛隊の活動の実態をより前面に押し出して
行こうとする考え方です」

博士「どういうことですか?」

小生「今、日本の現状において温暖化などの気象変動によるものと推測される自然災害
が激甚化しており、最近では、千葉県一帯が想像を絶する被害に遭遇しています」
(この災害に向けた、自衛隊のより具体的な対応の実態は、前述した通り)

女神「千葉県知事がマスコミに叩かれていましたね」

小生「全国で思いがけない場所が風水害などによる今までにない被害に遭遇しており、
各地域のトップに責任を求めても、異常気象の影響などで、災害の規模が、今までの
経験では予測できない規模に膨らんでおり、日本全体が各都道府県の首長に対策を
委ねる方式では、もはや・対応しきれない状況になってきています」

博士「そのような状況の中で、今や自衛隊の存在は欠かせない存在であり、国民目線
からも、最も頼りになる存在として認知されてきていますよね」

女神「貴方が、前述したような『防衛環境省のビジョン展開』が、今、すぐにも必要という
状況になってきているのかしらね?」

博士「防衛省と環境省が一体となったハイブリットな機能的組織体ということですね?」

小生「防衛省は『不戦』の誓約を『抑止力』という面から、海洋大国『日本』の空域や海域
の閾の領域で、空域におけるスクランブル発進や、海洋における船上からの警告などに
よって、防衛の任に当たっています」

博士「一方で、陸上において、暴風雨や地震そして大津波などの自然界による猛威には、
抑止力をもって抗することはことは、極めて困難なことであり、最近の温暖化によると思わ
れる災害の激甚化などには、陸上において抵抗の術がありません」

小生「そこで考えをまとめたものが前述の千葉台風をパラダイム・シフトへの気付きとして
位置付けした構想です」

博士「二つ目の層で、分析した自衛隊の存在は、今や、不戦のための抑止力というだけの
存在を越えて、国土強靭化および地震や台風などの災害からの復旧には、必要不可欠な
存在であり、かつての違憲問題などは、遠い過去の問題提起という論点ですね」

小生「しかしながら日本国憲法と国連憲章との関係については具体的に『個別的自衛権』
や『集団的自衛権』という面から、中国や北朝鮮そして韓国やロシアといった国々とは極東
における微妙な関係を抱えており、次の機会に時間をかけて意見交換をしたいですね」

博士「確かに尖閣諸島の課題などについては、中国が軍事大国化への道を着々と進めて
おり、日米で集団的自衛権を目に見える形にして行かないと、中国への『抑止力』という面
で隙をつかれかねない面もあり、熟慮が必要になってきていますね」

女神「次回には時間をかけて意見交換しましょう」
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さて、この「第2弾の論点」についても、政府首脳に向けて発信して行こう。

安倍首相・菅官房長官殿

超大型台風19号の襲来を目前にして、先日(3日)、政府は千葉県で大規模停電を引き
起こした台風15号をめぐり、初動対応の問題点を調べる検証チームの初会合を開いた
ことが、報じられていましたが、的確な判断であったと推察します。

さて日本国憲法の改憲について、国民の一人として、第2弾の論点を整理してみました。
国政における議論の端に加えていただければ幸いです。

(続 く)

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安倍首相・菅官房長官殿【超大型台風19号の襲来を目前にして】先日(3日)、政府は千葉県で大規模停電を引き起こした台風15号をめぐり、初動対応の問題点を調べる検証チームの初会合を開いたことが報じられていましたが的確な判断であったと推察します。さて、話は変わりますが日本国憲法の改憲について国民の一人として、第2弾の論点を整理してみました。国政における議論の端に加えていただければ幸いです(一生涯学生作家 万田竜人)

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  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-10-11

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