⬛︎朗読詩「犬と銃弾」
獣の眼で、世界中を睨む彼を
僕はころさねばならない
鋭角なままの瞳で、荒野を駆け巡る彼を
僕はころさねばならない
*
高架下での話
*
たじろぐ間もなく
その銃口を彼に向けたのならば
躊躇いなど一番の禁物なのだから
その、いきりたったものを
見てはならない
あつく、
脈々と息づく
彼の眼以外のすべてを
見てはならない
そのまま
右足から
こいに落ちてしまう
*
獣の眼で、世界中を睨む彼を
僕はころさねばならない
鋭角なままの瞳で、荒野を駆け巡る彼を
僕はころさねばならない。
⬛︎朗読詩「犬と銃弾」