⬛︎朗読詩「捕鯨」

#捕まえる為に
まず綺麗に梳いた。
きらきらと剥がれる、
わたしとわたしの証明を
食事のように、
口に運ぶように、
摂取するように、
喰らい尽くすように、
そこを梳いた。
それを梳いた。

#朝食
ひたひたとなる、
牛乳に浸かったシリアルを
スプーンで潰す。
だけでよい。

#α波
そこにはいない。

#解体作業
底にいた。
ゆっくりと沈む、
大きな瞳をさせたまま。
世の中のすべてと、
わたしのことも、
すべて喰らったあとで、
ゆっくりと沈む。
綺麗に梳いた髭から、
明日の温度もわからぬ、
きらきらの幼子たちが出てきて、

#朝食(そして)
それをスプーンで潰す。

⬛︎朗読詩「捕鯨」

⬛︎朗読詩「捕鯨」

  • 自由詩
  • 掌編
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-10-08

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