台本

「朝になっちゃうね。」
「そうだね。」
「もう寝る?」
渇いた声で囁いてくる。こいつの声はいつも綺麗なので嫌いだ。早く寝てほしいのか、まだ付き合ってほしいのか、私にはわからない。
「どうしてほしい?」
そう言った私に抱きついて何も言わなかった。
夏も終わり、涼しくなってきて感覚が鋭敏になった肌に伝わってくるこの温もりは嫌いじゃない。
「ねえ、もう一回したいんだけど。」
「いいよ。」
「すき。」
この好きに対して、返す言葉の持ち合わせが私にはない。私もや同じように好きだよとも、ありがとうとも、嬉しいとも、私からは言えない。この生き物に対して、正しく愛情を注げる自信がないから。
「なんで何も言ってくれないの?」
謝ることもできない私には、この大型犬の頭を撫でながら抱きしめてあげることしかできない。
「早くしよ?」
それを聞いた彼の顔が少し歪んだのを見て可愛いなと思ったam3:32。〜自室にて〜

Nowplaying 黒木渚/枕詞

台本

秋や冬は煙草がよく燃えるので好きだ。

台本

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-10-08

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