9月・10月の短歌(2019年)
金曜日だからダメなのではなくて曜日を問わずダメなのである
あした朝起きたら死んでたいだけど死んでたら朝起きれないのな
人生に飽きたら眠る 眠るのに飽きたら起きる その繰り返し
外は秋・心は真冬・君のいるあの日の街はとわに常夏
ふりむくな ゆるくつないだ手のひらがほどけるような速度ですすめ
蟻を踏む ただ意味もなく このように意味のない死はありふれている
「世界じゃん」「世界かよ」「うわまじ世界」おいやめろそんな目でこっちを見るな
「えいえんは、あるよ」ときみが吉野家で開いてみせた紅しょうが入れ
じゃあおれがモヤっとボール投げる役やるので声はお願いします
地縛霊としてバンドに明け暮れて今日も卒塔婆のあいだでねむる
9月・10月の短歌(2019年)