テロ対策は闇が深い!Ökomon
この話は『テロ対策は闇が深い!Otto』の続きです!(1話は『テロ対策は闇が深い!Able』)
※この話は『小説家になろう』にも載せます
※この話は『小説家になろう』では第二章にあたります
Ökomon
「嘘はダメですよ!バリッバリ情報交換してますよね。私達」
突然誰かがそう言った。なので真野と朝宮が声のする方向を見ると、そこには一人の女性対策官がいた
「確かにそうだが、それはあくまで裏の話だろ」
宗方はその対策官を見るとそう言った。すると女性対策官は「確かに捜査長に知られたらまずい話ですが、みんなやってますし大丈夫ですよ」と言い、指で丸をつくった
「ただ皆を巻き込むだけで、大丈夫な要素は一つもないと思うんだが……」
宗方はボソッとそう言った。するとそんな宗方に朝宮がこう言った
「宗方さん。こちらの方は?」
「あれ?知らない?この人は……」
宗方がそう言い、女性対策官を紹介しようとしたときだった。宗方の隣にいた保科が「捜査4の桜井さんだよ」と言った
『監視部に長くいる保科はさすがに知ってるか……』
宗方は心の中でそう思うと、保科による紹介を邪魔しないために口を閉じた
「う~ん。知らないですね」
朝宮は過去に会っていないか思い出しながらそう言った
「真野は?」
保科はそう言うと真野を見た。すると真野は小さく首を横に振った
「知らなくても仕方ないですね。捜査4と監視部は関わり薄いですから」
桜井は五人にそう言った。するとそれを聞いた保科は「捜査4に異動したんですか?」と聞いた。すると桜井は「えぇ、そんな事もあって勝手に情報交換してるんですよ」と言った
「真野、どういうことか分かる?」
桜井と保科が話している横で、朝宮は小声でそう質問した。けれど、真野も桜井の事をいま知ったばかりだったため、桜井に何がありその結果どうなったのか知らなかった
「さ、さぁ」
真野は困ってそう返答した。するとそんな二人の会話を聞いていた天方はこう言った
「桜井さんは数年前まで宗方一等の班に所属していました」
「それはつまり捜査2にいた……ということで合ってますよね?」
真野が確認のためにそう聞くと、天方は「はい。合ってます」と言いながら頷いた
「んで、どうなんですか?実際は?」
天方の話を聞くと朝宮は宗方にそう聞いた。するとそんな朝宮を見た天方はボソッと「そんなに信用性ないかな……」と言った
「いえ、そんなことないですよ。とても真面目ですしそれに……」
『フォローしようにもそこで詰まるか』
落ち込む天方をフォローしようとしている真野を見て、宗方はそう思った。すると朝宮が「聞いてます?宗方さん」と言い、肩を揺らしてきた。なので宗方は「あ、あぁ。もちろん聞いてるよ。桜井のことでしょ?」と言った
「そうです。知ってること全て吐いてください」
朝宮はそう言った。けれど宗方は「桜井とは同じ班だったから、他の人よりかは知ってるはずだ。けど、他人のことについてベラベラ話のはちょっと……」と困りながら言った。するとそんな会話をしていることに気がついた桜井が「しかたないですね。私自ら話しましょう」と言い、会話に入ってきた
「あ、良いのか。話して……」
宗方は桜井を見るとそう聞いた。すると桜井は「その部分だけ伏せれば問題ありません」と言い、真野達を見た
「私が捜査2にいたのは今から三、四ほど前です。なのでお二人が知らないのも当然なのでは?」
桜井は捜査2にいた頃、朝宮と真野に会っていなかった。なので桜井はそう発言した。すると真野は「確かに私が監視部に勤め始めたのは三年前ですから、すれ違いであるならそうですね」と言った
「そう言えば、何で捜査2から捜査4に異動したんですか?」
その会話を聞いていた天方がそう言った。すると一瞬、桜井と事情を知っているであろう宗方、保科が固まった
「あれ?何かおかしなこと言いました?」
天方は三人を見ると、少し慌てながらそう聞いた。すると突然誰かが天方にこう言った
「天方さんにも他人には話せない事がありますよね?彼女に取ってその件は誰にも話せないこと何ですよ」
「田宮一等、お久し振りです」
天方は話しかけてきた人物を見るとそう言った。すると田宮は桜井に「捜査4だけで話し合いをする。来て!」と言った
「それでは私はこの辺で失礼します」
桜井はそう言うと田宮の横を通りすぎ、捜査4の仲間がいる所へ行ってしまった
「宗方君、例の件はいつも通りでお願いしますよ」
「了解です」
宗方がそう答えると田宮も捜査4の仲間がいる場所へ行ってしまった……
「保科一等、そういえば時間大丈夫ですか?」
田宮と桜井か会話から抜けると、真野はそう言った
「確かにそろそろいい時間だと思うが……」
保科はそう言いながら近くの壁に掛けてある時計を見た。そして「作戦開始まで十五分ほどある。そろそろみんな用意をしよう」と言い、部屋から出ていった
「それでは天方さん、宗方一等、失礼します」
「そんじゃ二人ともさいなら」
真野と朝宮はそう言うと、保科を追いかけ部屋を出ていった
『ゾンビ愛護団体総本部強制捜査』の開始まであと十五分、全ての部署で作戦への準備が進められていた……
テロ対策は闇が深い!Ökomon
桜井澄夏(さくらいすみか)
ゾンビ対策士長
武器……拳銃