冷凍庫と明日

きみの帰りを待っている

きみが好きだと言ったアイスだって忘れてないよ

ぼくはすこしだけ記憶を失くしたんだ

いまを生きるのに疲れてさ

過去のことばを殺したいよ

憐憫の目で見られてしまうね

肌に悲哀が滲んでいるんだ

壊死した日々が心臓に絡みつくんだ

この情動を焼き捨てたいな

この惨状にまだ慣れないや

今の時間ごと冷凍庫にいれて

ぼくはきみが帰るのを待ちたい

アイスがすべて腐ったとしても

冷凍庫と明日

冷凍庫と明日

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-09-29

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