黄風に誘われて

黄風に誘われて

物思いに耽る風。

何もしないで薫るもの……


大嵐が置き去りにした汗はまだ乾かない。

揺れる水辺から当たり前のように顔を叩かれると、緑が褪せた土の匂いがここでケンカする。

寒さを知ってる木々たちは、我も我もと葉を落とし節目の彩りを変えてゆく。

平の地もまた、ちっちゃな色を着けるものは次第に顔を覗かせる。

汗が乾く頃になると、ケンカも無くなりひたすら葉を落とし色を変え、顔を撫でる事さえ休まない。

そろそろだ、と待っていたちっちゃなものは顔を出し節目の色を匂わせる。

撫でられた顔にほんのりと、薫る風に変えてゆき金木犀(キンモクセイ)の頃だと教えてくれた。

黄風に誘われて

これからの時を知らせる風に。

黄風に誘われて

お知らせです!が薫る時。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-09-19

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