夢のカードを認めたらK-1は崩壊する!!

この文章を、予定が合わず差し飲みで格闘技トークができなかったフォロワー某氏に捧げます

まず、筆者は
・K-1グループの組織作り、システム、それを守るための頑固さ…を「組織を守るためなら理解できる」と思っている。
・それでも那須川天心VS武尊は見たい。
と考えている人であります。

そこら辺も踏まえて、「やっぱキツいな実現は……」と思い、こんな文章をこしらえました。

てなわけで、武尊VS那須川天心の話題が何度目かってくらい盛り上がっていまして、「発言直後は盛り上がったけどやっぱ無理じゃねえかな……」って空気にまたなっています。
私も、9・16の天心の発言を会場で生で聞きましたが、時間が経つにつれてどんどん無理じゃねえかという気持ちが増していますよ。

まず大前提として、このカードを実現させること=例外を認めること――であると、認識しなきゃいけないと思います。
何についての例外かと言われたら、「K-1グループの決まりに照らし合わせると」です。
K-1のやり方について好きだ嫌いだとか、正しいと思うとかダメだと思うとか、そういうのは置いといて「例外を認めるか否か」という問題ってのは、冷静に考えれば誰でもわかるのではないかと。

こちとら関係者でもないし、K-1の偉い人が各団体や各ジムや各選手とどういう話をして実際にどういう契約をしているかは知りませんが、「K-1グル―プの決まり」をめちゃくちゃザックリですが、下記のように認識しています。

・K-1、KRUSH、KHAOS、アマチュアからなるピラミッドの確立を大切にしている。
・選手とは基本的に独占契約を結んでおりそれなりに縛っている。選手の所属ジムにも当然それなりに話している。
・原則として、国内他団体への選手派遣とか、国内他団体からのスポット参戦とか、国内他団体との対抗戦などは、やらない。(ビッグバン=谷山ジムとか、全方位外交のレベルスとか、多少例外もある)

上記の最初に挙げている、「ピラミッドの確立」をK-1グループはまず一番に考えていて、選手を縛る・他団体との絡みを制限するっていうのもこのピラミッドのためだと思うんですよね。ここら辺は、今のK-1グループの運営側で一番矢面に立たされている中村Pがはっきりと「ピラミッドの確立のための取り組みを崩すことはない」とメディアでもtwitterでも発言しております。

つまり、RISEのトップ選手である那須川天心がK-1グループのトップ選手である武尊と戦うには、那須川天心とその陣営がK-1グループの契約に従うしかないということです。
くどいようですけど、K-1のやり方が正しいとか間違ってるとかは置いといて、K-1が姿勢を崩さない限りはそうせざるを得ないのですね。

≪この記事もチェック!≫
那須川天心「K-1との3年独占契約はあり得ない」 武尊戦には「向こうの全盛期が終わってしまう」
https://times.abema.tv/fight/posts/7019934

もちろん、「天心がK-1と契約する」の逆で、「武尊が外に出て戦う」というのもK-1の決まり的に無理なのは当然なわけです。

ここで話は最初に戻りますが、そう言った決まりをふっ飛ばして那須川天心VS武尊を認めるということは、「例外」を認めるというお話なのです。

私は、この例外を認めたらK-1グループに絶対に悪い影響が出ると断言します。
(2000%ないでしょうが)K-1の偉い人が「武尊選手が外に出て戦おうが、一回限りの天心選手のK-1参戦だろうが、この一戦に限っては認めます!全ての格闘技ファンのために!」とか前向きに決めても、絶対に悪い影響は出ます。間違いないです。

それは、K-1グループ内で「俺も例外になりたい」という声が次々に出て、簡単に言うとグループ内の秩序が乱れK-1が大切にするピラミッドの確立が出来なくなるという話です。
団体が一番大切にしている柱がグラつけば、当然団体が傾く可能性ありますよね。
少々過激にしたなと自覚している「夢のカードを認めたらK-1は崩壊する」っていうこの文章のタイトルが、実際に起きてしまうこともゼロじゃないんじゃないかと思いますよ。

さて、「俺も例外になりたい」という声を上げるのは、当然K-1グループと契約している選手であったり、K-1に乗り込みたいという他団体の選手だったりします。他団体の選手の要求は突っぱねればそれまでなんでまだマシですが、契約中の選手が言い出したらマズいのは色々考えられますよね。単純に契約中の選手が外に出て戦うとなると、K-1グループの興行でのその選手の試合が減るので、チケットをよく売ったりAbemaの視聴者数が稼げる人気者が外で戦いまくったらK-1運営としてキツいのは小学生でも想像できます。

もちろん、外からの選手をホイホイ入れるとなるのも大変だと思いますよ。
タイトル戦線に他団体からの選手が絡むとなると大渋滞が起こることになるでしょうし、きっと揉めます。
具体的かつ仮定の話をしますと、

安保瑠輝也が持つK-1スーパーライト級のベルトに次に挑戦する候補が……
・シュートボクシングからの刺客!国内ベルト統一を目指す海人!先日初参戦で山崎を撃破!!
・左右田にも勝ちKRUSH王者としての風格も漂ってきた鈴木勇人!先日K-1本戦でも見事勝利!

だとしたら、瑠輝也VS海人が見たい!って声がそれなりに出ると思うんですよ。
それで本当に海人のタイトル挑戦が決まったら、KRUSHから鈴木を応援していた人、KRUSH箱推し的な人らの不満は爆発すると思うんですよね。
K-1グループ内のタイトル挑戦者の選考でもギャーギャー言われるのに、「外」って要因が増えたら数倍大変ではないかと。(そこら辺は興行主の腕の見せ所だって声も当然あると思いますし私もそう思います)

そして、外からのこういう「順番抜かし」が起きるとしたら、正にピラミッドの崩壊じゃないですか。
そしてそして、K-1の契約選手が外に出て戦って仮に実績をあげた場合でも、「外でこんだけのことをやったんだから次はK-1のベルトに挑戦させてよ」って話にもなりそうですよね。これも、ピラミッドの崩壊と言えませんか。

そうした外との絡みによってピラミッドの中での順番抜かしなんかが起きたりしたら、イヤな思いをするのは「真面目にピラミッドの上を目指している人」と彼らを応援する人達です。
「一番になるなら普通のやり方じゃダメ!常識にとらわれない!色んなアプローチを!」
ってかっちょいい言葉を吐き、それを実行して実際人気を得てメインまでこぎつけたりタイトル戦線に絡んだりする選手もいたりしますが、大多数はそんなスター気質の選手じゃないんですよね。
そして現実には、スター選手のド派手なカードだけでK-1グループ全体が今みたいに月2回程度の興行をコンスタントにやり続けることはできないと思うんですよ。

「いや、K-1グループ内で実績作ってから他団体がどうとか言えばいいんじゃね? そのためにKRUSH、KHAOSって場があるわけだし」
って声もあるでしょう。でも、そんなに真面目な方向にはきっと落ち着かないんです。

<ここからは、基本的に筆者が主にK-1グループの選手達のことを「信じていない」というような見方をしている記述が目立ちます。そういうのが見たくない人はページを閉じてください>

現実として、「俺が俺が」というスタンスの選手は多いと思いますし、自身の実績・現状を客観的に見ずに最短距離を選択したいというのはあると思うんですよ。タイトルの獲得でも人気の獲得でも、それを手に入れるのに最適な方法が「ピラミッドを登ること」ではないと考えるようになるのも、「外との絡み」というチャンスを知れば自然ではないでしょうか。

実際、今でもK-1に限らず「お前がそれ言うの?資格あると思ってんの?」ってこと、あるじゃないですか。でもK-1が例外を認めることになったら、間違いなくそういうのは増えますよ。
普段「K-1が1番」と豪語している選手なんかが、「他団体の強い奴をぶっ倒して証明してやる」とか普段の発言に追加することが容易に想像できます。
武尊や天心ほどの選手じゃないのに「俺も」って声を張り上げる選手は、絶対に続出します。おそらく中村Pのtwiiterのアカウントは今以上に壮絶にリプライが飛ぶことでしょう。

別に中村Pのアカウントがどうなろうと知ったことではないんですが、「俺も俺も」をやったK-1グループ傘下の選手のアピールを運営が認めないと、残るのはそれをした選手(そして陣営・ファン)の不満です。
この不満が募ると「怖いこと」になりますが、それは後述します。

「怖いこと」というのは、「俺も俺も」をせず真面目にピラミッドの頂上を目指す選手(そして陣営・ファン)達の方からも高確率で出てきますよ。
「自分達は真面目にやっているのに、アピール先行で派手なカードで一発ドカンとやった連中ばかり優遇されるのはおかしい!」
例えばそんな不満が、徐々に募っていくというわけです。正直者がバカを見る的な感じですね。
「自分達は真面目にやっている」が本当なのかという検証やそれが正しいことなのかという議論はさて置いて、ルールに従う者が、ルールから外れる者が好き勝手やっているのを見て不満に思わないと考えるのは無理な話でしょう。
これは仲間内の決め事でも、会社とか普通の組織とかでもきっと通じることだと思います。

さて、「怖いこと」とは何かというと、「じゃあ、自分達はK-1グループ抜けるわ」という事態が起きるという話です。
「俺も俺も」な人の場合は、要求が通らない組織にはいられないから。
「自分達は真面目にやっている」な人の場合は、報われない組織にはいられないから。
もうこの本文中で何度目かという断言ですが、絶対にこういうことが起こりますよ。
『K-1グループから複数のジムが独立して新団体立ち上げの意向。K-1側は訴訟を検討』なんてことが、現実にあるんじゃないですかね。
新団体まではいかなくても、ジムごと他団体に移籍したりとか、選手個々人の移籍問題は更に増えるでしょう。
(まあ、それをさせないためにK-1は現在選手をきっちり縛っているわけですが……)

日本のプロレス格闘技は、分裂・離脱を繰り返して今も続いています。
個々の案件の正当性とかそういうのをいちいち書きませんが、例えば立ち技格闘技・キックボクシングもとんでもないくらい分裂しています。
令和元年である今年も、新日本キックボクシング協会から複数のジムが抜けて新たな団体「ジャパンキックボクシング」を作ったりしました。あの武田幸三もいた治政館も、今ではジャパンキックボクシングですよ。
ちなみにその新日本キックボクシングも、今は無くなった団体から独立して他と合流してできた団体です。
そして言わずもがなですが、今のK-1グループのルーツである全日本キックボクシング連盟もマーシャルアーツ日本キックボクシング連盟から分裂した団体です。

抜ける時って、そりゃあ各自色んな葛藤もあるし実際揉めるけど、あっという間なんですよ。
そして揉めたら、選手も団体もひどいことになりますよ。天心武尊問題だけじゃなく、選手が辞めるとか新たに参戦するとかで今も色々ありますしね……
そして、K-1の運営側がルールを破ろうとする身内を処罰し続けるというのも、傍から見ていて辛いことだし普通に考えてファンも離れて行きそうな気がします。

「100年続くK-1」とやらも、参戦する選手がいなくなりゃ、組織が不安定になれば、ファンがついていけなくなれば、当然無理な話なわけです。


ひとつの「例外」を認めることが様々な火種を生みそうな夢のカード、本当に実現したらどうなるんでしょうね?
私は60~59キロ契約ならK-1ルールRISEルールに関わらず武尊が競り勝つと思います。

夢のカードを認めたらK-1は崩壊する!!

「実現する方法も話そうぜ!」ってご意見もあるかと思いますので、一応書いておきますね。
『この一件はシーザー武志会長に預ける』
しかないと思います。1、2、3、シュート!!

夢のカードを認めたらK-1は崩壊する!!

武尊VS那須川天心という、おそらく現在の日本格闘技界で最も実現が熱望される夢のカード。 これについて、ある視点からまとめて書いておきたいと前から思っていたので、9・16のRISEでの天心の発言で最高に燃えているこのタイミングでアップしました。 「こうすれば実現する。こうしたらいい」という建設的な話ではなく「実現はK-1にとってリスキーじゃね」とネガティブな内容です。

  • 随筆・エッセイ
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-09-18

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