カメラ

シャッターを押す。ゆびさきはしずかで、震えることさえかなわない。刹那、きみの目のすきとおっていることがかなしい。切りとる痛みはいつだってうつくしいから、耐えられなくてレンズの外に逃げ出す。わたしは、さかなの目をぎゅっと握りしめてあなたのことをかんがえつづける。
あなたを含む星空はなにより光に似合うだろう。きっといちばん遠いところだ。

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-09-17

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