愛についての試論
愛がシャワーのようなものであったらいいのに、と思う。今日も私はあついお湯を全身に浴びて、皮膚の表面のいたみ、かゆみから、私の輪郭を確認する。私が私であって、私がいるのはここで、私と、私以外が違うってことを確かめる。
でもきっとほんとうは違って、きみはきみの両手に入るだけの愛を、なんどもなんども私にふりかけてきた。それはなんとなくきみの体温であったまってぬるくなってて、きみの体温と私の体温でなんとなーくきみと私がふれあって、ちょっとずつちょっとずつ、アウトラインをぼんやりと明確にさせた。
きみが私をあいしているということは、私をこの世界になんとなく存在させることだ、きっと。きみの愛で私自身を確かめながら、私はどこへ行くつもりだろう。愛の気化熱で、さみしい。あなたのことが大好き。
愛についての試論