置き去りの苦痛たちへ。
サイバーパンク。
ゴミ捨て場のゴミのように、不法投棄の鉄くずのように、置き去りにされた苦痛たちへ。
いきる術も忘れ、生きる理由も忘れ、けれどそれを諦めきれなかった人たちへ。
人類は生きる理由を忘れた、何度となく繰り返された戦争とそれに伴い開発された科学の、軍事技術とその転用による現在の便利すぎる生活は、人間に空白をもたらした。それは理由のない精神の空白、けれど、それを補うために必要な事を、考えて居る暇は人類にはない。
このサイボーグ技術が、人間を半分機械化させ、やがて脳の半分を機械化したころには、コンピューターネットワークに、人類の本質の表現が生まれるかもしれない、その時にはすべての価値が逆転している。もう一度、排除された苦痛たちがその意味を探しはじめ、やがて人類は、動物的でない価値のほうに目を向ける余裕が生まれることだろう。
置き去りの苦痛たちへ。