産声

黒く光っている海を焦がす太陽。太陽の光がうるさく騒いでいる。明るい日射しに殺される。殺害を繰り返している太陽。星が回転する。行進の音が聞こえる。涙を流している受刑者の懇願が、頭の中へ、心の中へ、体の、細胞の中へと流れ込んでくる。ノイローゼ。救いを求める声。助けを求める声。偶像を求める、純粋な、あらゆる情緒から解放された、「真っ白な声」。たった今生まれたという生命のスタート合図が、受刑者の喉の奥底から発せられる。全ては準備であったと訴えるかのような産声。ミルクを欲している、乳児の、純然たる泣き声。

産声

産声

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-09-10

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