爪先

最後に逢ったのはいつだろう

履いている靴も変わってしまった

君とはじめて逢ったときに履いていた靴は

どこかに、消えてしまったみたいだ

この靴も君に見られないまま

破れて使えなくなるのかなぁ

側面の解れ、汚れ

心の磨り減った姿みたいだ

守れるものがあるとするなら

形のないものを大事にしたいと思う

触れられないものをこそ想いつづける

あの時からそう、爪先が鳴いているから

爪先

爪先

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-09-10

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