野ざらしの憂鬱

まだ、気の晴れない空のもと
閑散とした日々の跡
十月の雨の夜を数える
頬をなぞった露の数
草臥れた二人の両腕
もし僕がきみよりも早く
生まれ落ちたとするならば
無駄に年食う事は無かったろう
きみの居ない秋を越さずに済んだのに
教えられるだけなんて無様だ
このままきみに逢えない日が続くのなら
僕はもっと歪んでいくだろう
たったひとりで死ぬのだろう

野ざらしの憂鬱

野ざらしの憂鬱

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-09-09

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