嵐の前の静けさ。

yuki.y

涼風の爽やかな朝から一転、無風の蒸し暑い昼前。近くの森から聴こえるはずの蝉の最期の喘ぎはまばら。からすだけが何かを報せるように鳴いている。

嵐の前の静けさ……

胸がざわざわする。台風に備えて家回りを片付ける。ざわざわ……。ざわざわ……。ざわざわ……。

我が家では来週、修学旅行の娘が準備をしている。火曜日に学校に荷物を置かなければならない。

驚き!桃の木!山椒の木!(古い?) 大きい荷物は事前に学校から現地に送るという。私らは極力荷物を減らし自分で持ったけどなぁ。

ついつい自分の事と比べてしまうけど、時代が違うのだ。大きい荷物を持った百何人の中学生が、電車に乗っていたら通勤通学の乗客の方に迷惑をかけることになる。そういうことだろうか。

あ~! 下着が足りない!
あ~!! ワイシャツが足りない!!
あ~!!! 靴下に穴があいてる!!!
ママ~!!! 買いに行かなきゃだよ!!!

騒がしい娘。靴下に穴があいているのなら、なぜ捨てなかったのだろう。事前に荷物を渡すのなら買い足さないと足りないことくらい、なぜ気付かなかったのだろう。実は本人が気付くまで敢えて放置していた私。

外は嵐の前の静けさ……

家の中は既に嵐がやってきている……

嵐の前の静けさ。

嵐の前の静けさ。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-09-08

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