テロ対策は闇が深い!Ludwig
この話は『テロ対策は闇が深い!Konrad』の続きです!(1話は『テロ対策は闇が深い!Able』)
※この話は『小説家になろう』にも載せます
※この話は『小説家になろう』では第二章にあたります
Ludwig
東京本部、監視部専用室……
「宇賀から聞いたけど、真野さん大変だったみたいね」
そう言ったのは宮代だった。すると真野は「本当に大変だったんですよ。一歩間違えれば死んでたんですよ」と言った
「まぁまぁ、私もそれくらいの経験なら何回かあるのよ。でも生きてるから貴方も大丈夫よ」
宮代はそう言うとクスクスと笑った。すると真野はムスッとしながら「こっちは死にかけたというのに……」と小声で言った。するとこの場にいた古河がこう言った
「そんなに怒らないの。宮代さんも別に悪気があったわけじゃないんだから」
古河はそう言いながら真野の肩を叩いた。すると宮代が「私の発言、そんなにアレだったかな?」と古河に聞いた。すると古河は宮代に「受け取り手次第ですね」と言い、真野には「最初の内は誰でもあることなんだから、気にしない!ね!」と言った
『あー、これ私が悪者役のやつだ』
宮代が心の中でそう思ったときだった。突然、監視部専用室の扉が開くと部屋の中に高坂が入ってきた。高坂は部屋の中を見渡すと、宮代達がいる所にやって来た
「古河さん。少々宜しいですか?」
古河はそう言われると「はい。構いませんが、一体?」と聞いた。すると高坂は「内容がアレなので、移動しましょう」と言った。なので古河は宮代と真野に「ちょっと行ってきます」と言い、高坂と共に部屋から出ていった
「古河さん、何かやったんですか?」
真野は宮代にそう聞いた。しかし宮代も事情を知らないため「さぁ、何かやったのかな?」と言った……
同階、非常階段にて……
「あの、お話というのは一体……」
非常階段への扉を高坂が開くと、古河はそう聞いた。すると高坂はこう言った
「愛護団体に乗り込んだとき、何か貰いませんでしたか?」
「え?貰う?」
「はい。愛護団体のメンバーから何か貰いませんでしたか?」
高坂はそう聞いた。すると古河は作戦中、柴本から何か貰ったことを思い出した。なので上着のポケットに手を入れてみると、そこからUSBメモリが出てきた
「確かこれを……」
古河はそう言うと高坂にUSBメモリを渡した
古河はゾンビ愛護団体総本部に潜入したさい、柴本と呼ばれている女性から、そのときは何か分からなかったものの何かを渡されていた。しかし古河は、それを受け取っていたことを忘れていたため、渡されたものがUSBメモリだということをいま知った
「中身は見ましたか?」
高坂はそう聞いてきた。なので古河は首を横に振ると「いえ、そもそも渡されていたことを忘れていたもので……」と言った
「そうですか。では、誰から貰ったか分かりますか?」
「確か、柴本と呼ばれている女性です。潜入のとき、色々とあったのでよく覚えています」
古河ははっきりと言った。するとそれを聞いた高坂は『柴本…… 確かゾンビ愛護団体の研究員だったはず……』と考えた
そして「分かりました。これは情報管理課が必要としている物なので、貰いますね」と言い、USBメモリを握った。すると古河は「分かりました」と言った
すると高坂は「それでは失礼します」と言い、扉を開けようとした。しかし高坂がここから出る前に、古河はこう聞いた
「高坂さん。私が持っていたそれは何なのですか?」
古河がそう言うと、高坂は立ち止まった。そして「私も中身が何かは分かりません。けれど、これは情報管理課だけでなく、調査部も必要としている物…… とだけ言っておきます」
高坂はそう言うと一礼して非常階段から出ていった
古河は高坂が居なくなると「えっと、私が貰ったやつってそんなに大切なやつだった……のかな?」と小声で言った
そして監視部専用室に戻ろうとしたときだった。古河が扉を開けるよりも早く、誰かが扉を開けた
「古河さん。一体何を……」
そう言ってきたのは真野だった。するとそれに続くように「すまない。何とか部屋で待つよう言ったんだけど、心配らしくて……」と宮代が言った
「心配?」
古河はそう聞いた。するとその質問に対して真野は「何かやらかして、監視部から飛ばさせるかと思いまして……」と言った。すると古河は真野の肩を軽く叩くと「何もやってないわよ。ちょっとお話があっただけだから」と言い、非常階段から出た
「お話?」
古河の発言を聞くと、宮代はそう聞いた
「えぇ、ただその件は部屋でしましょう。立ち話もアレですしね」
古河は監視部専用室の扉を開けるとそう言った。すると宮代は「確かにそっちの方がいいな」と言い、真野と部屋に入っていった……
テロ対策は闇が深い!Ludwig
宮代波央(みやしろなお)
二等監視官
武器……拳銃