年上彼女の父

森下巻々

※成人向け・強い性的表現があります。

   *
 ユウジは、大学二年生。年上の交際相手、マホが引っ越すことになったので、その当日、或るマンションを訪れていた。彼女が一人暮らしを始めるとのことで、二人で不動産屋に行って決めたマンションの一室である。
 彼は、部屋の整頓を手伝おうと思って、何気なく入っていったのだったが、彼女一人ではなかったので驚いた。
 マホの父親が、先に手伝いに来ていたのだ。
「は、はじめまして……」
「君が、ユウジ君か。マホと仲良くしてくれてるんだってね」
 父娘の姓を高田と言った。父親の高田は、四〇代ということで、マホの年齢からしては若く、日焼けした肌は照っているように見えた。何かスポーツをやっていたことがあるのではないか、ユウジはそう感じさせられた。
「お手伝いしようと思って来たのですが……」
「有難う。しかし、俺も或る意味プロだからね。君の手をわざわざ煩わすことはないよ」
「お父さんッ。せっかくユウジ君が来てくれたのに、やめてよ。……ごめんね、お父さんは引っ越しの会社に勤めてたこともあるの」
「そうなんですか」
 高田は、現在は宅配便中心の会社に勤めているとのことだったが、なる程、そうやって見ると躯つきもいい。いかにも、日々、重い荷物を持っているという感じであった。
   *
 マホは既に大学を卒業して会社員になっている。彼女の父親と母親は離婚していて、これまでマホ、弟、そして父親の三人暮らしだったそうだ。彼女は、ユウジとのこともあって一人暮らしをしたいとかねてより思っていたが、我慢していた。父親のことが、どこか心配、弟に任せてしまうのも心配だった。
 しかし、成長した弟に、姉ちゃん大丈夫だよ、と言ってもらったことで一人暮らしを決意したらしい。父親も反対しなかったそうだ。
 ユウジとしては、嬉しかった。これで、時間を気にすることなくマホと会えると思ったのだ。
   *
 或る日、ユウジは走っていた。彼の住むアパートとマホの住むマンションのちょうど中間に当たる地域に、大きな公園があるのである。彼は、時間のある日はよく日中から運動に使っていた。
 運動に自信がある訳ではない。どちらかと言えば痩せた体型で、食べても太らない。しかし、適度な運動は必要と考えていた。生涯スポーツを唱える教員が、若いときに筋肉を発達させた者と、そうでない者とでは、いろいろな部分で違いが出てくると言っていたと思う。
 その日も、軽く公園の環状歩道を駆けていた。疲れると直ぐに歩いてしまうのもいつもの癖であり、ベンチを目にして坐った。
 しばらく休んでいると、彼が来た道をサングラスを掛けた男性が走ってくるのが見えた。
 やがて男性は、ユウジの前で立ち止まり、
「おお、ユウジ君じゃないか」
 サングラスを取って見せる。
「お、お父さん。こんにちは」
 マホの父親の高田であったのだ。
「こんな所で会うとは奇遇だね」
「ええ。ジョギングですか」
「そうさ。君もだろ」
「は、はい……。でも……」
「なんだ。若い者が自信無さ気だなあ。シャキッとしろよ」
「は、はい」
 ユウジは、タジタジの格好である。
「まあ、いい。一緒に走ろうじゃないか」
「は、はい」
 彼は、ほとんど仕方なく、高田に付いて走った。
 しかし、高田のペースは速い。彼は、横腹を押さえながら、やっとの思いで追っていった。
「おい、遅いぞ。これくらいのスピードに付いてこれなくて、どうするんだ」
「はあー、はあー、はい。すみません」
「誰も、謝れとは言ってないんだ」
「はあー、はい……」
「しようがないなあ。少し、そこの芝生で休もう」
 高田が、ちょっとの間、姿を消し、戻ってきたときにはスポーツドリンクのペットボトルを持っていた。
「あ、有難うございます。おいくらでしたか」
「ばかやろう。おごりに決まっている」
「は、はい。有難うございます」
「そうだよ。有難く貰ってくれよ。ははッ」
 高田が、白い清潔そうな歯を見せて笑うので、ユウジも自然と笑顔になった。
「……マホとは、会ってるの?」
「はい。ときどき……」
「部屋にも行くのかい?」
「いいえ。あまりは……」
 ユウジは、微妙な気持ちになった。嘘をついたとは思わないが、少し苦しい。マホは働いているから、会うこと自体が毎日という訳にはいかない。しかし、会ったときには結構、彼女のマンションに行っていたから。
「そうだ。今から行こうか」
「どこにですか」
「どこって、マホの部屋さ」
「でも、今日は仕事じゃ……」
「いいんだよ。そうだ、ちょうど昼食時じゃないかな。一応、電話してみよう」
 高田は、娘であるマホに電話をかけ、繋がったらしかった。幾らか言葉を交わして、スマホを触わり終えた。
「許可がおりたぞ」
「そうですか……」
   *
 話を聞くと、たまに高田は掃除など家事をしに訪れているとのことだった。
「マホは、片付けるのが苦手なんだよ」
「まあ、上手とは思いませんが……」
「いや、あれで済んでるのは、俺が片付けてるからなんだ」
「そうなんですね」
「料理だって、俺の方が得意なんだから」
「へー、意外ですね。お父さん、料理されるんですね」
 考えてみれば、高田の雰囲気からしても、買ってきたものだけで食事を終わらせるとは思えなかった。食事ひとつにも、いろいろ拘りがありそうな雰囲気である。
   *
 高田は合鍵を持っていた。
「さあ、どうぞ」
 促され、玄関で靴を脱ごうとするユウジの背後で高田が、軽く腰を支えるようにしてきたかと思うと、突然、耳の後ろ辺りを舐めてきた。
「ああー」
 ユウジは、思わず声を漏らした。感じてしまった。舌のヌメリとした感触以上のものを。
「さあ、早く上がって、シャワーを浴びなさい」
「……」
 高田が、どこからかTシャツと下着を持ってきて、
「シャワーを浴びたら、これ着てくれ。ああ、俺はブリーフ派なんだよ」
 ユウジは、元々着ていた汗臭いTシャツと、短パン、トランクスを脱ぎ、シャワーを浴びた。
 お湯が肌を打つ音を聞きながら、彼はボーと何事かを考えていた。しかし、何を考えているのか、自分でも分からない感じだった。
 浴室を出たユウジは、高田と入れ替わった。
 ユウジは、ブリーフに、大きめのTシャツという姿でソファに坐ったまま、高田がシャワーを浴び終えるのを待った。
 やがて、高田が出てきた。今のユウジと同じ、ブリーフにTシャツという姿である。
「さあ、こちらに来なさい」
 部屋は二つある。隣室にベッドが設えてあって、マホはいつもここで寝ている。先日は、ユウジはマホとここでセックスした。
「お、お父さん……」
 ユウジは、マホの顔を頭に描いたことで、我に返ったようになった。
「さあ、来なさい」
「は、はい」
 頭の中は、シャワーを浴びたときと違ってすっきりしていた。
 それでも、彼は、隣室に行ったのだ。
 ふた回り以上年上の高田が、ユウジをベッドに寝かせる仕草を見せる。
 高田は、Tシャツを脱いだ。
 割れていた。
 腹筋の割れた筋肉質な躯を誇示しているかのようだった。
 ベッドの上のユウジに、覆いかぶさるように近づいてきて、Tシャツを捲り上げ、手を入れてきた。
 高田のゴツい手が、ユウジの乳首を弄ってくる。
「ああー」
「こっちは、どうだい?」
 もう片方の手では、ブリーフの布越しに、ペニスを撫でてくる。
 相手にふれられる快感に、ユウジの股間のものは、どんどん硬くなって、
「おッ。もう、形が浮き出ちゃってるじゃないか」
 輪郭をはっきりさせていく。
 高田が、ユウジのTシャツを脱がそうとしてくる。抵抗はしない。白い肌が露わになる。ブリーフも脱がされる。そのゴムの入った縁が肉茎に引っ掛かった刹那、ピンと跳ね上がって姿を見せる。
「大きいねえ」
「そ、そんなことは……」
「恥ずかしいのかい?」
「……」
 全裸にされたユウジは、高田によって四つん這いの格好にさせられた。
 ユウジの臀部の中心にある穴が、高田の舌によって濡らされる。
「は、あーん」
「どうだい? いい気持ちだろ」
「ううう」
「気持ちいいなら、気持ちいいと言いなさい」
「はい……。気持ちいいです」
「そうだろう? ここもガチガチだもんなあ」
 高田は、ペロリペロリと舐めながら、ユウジのペニスを手でシゴいてきた。
「はあ、はあ」
「感じてくれて、嬉しいよ。俺は感じてもらうのが好きなんだ」
「はあー」
「そろそろ出したいだろう? 前を向きなさい」
 ユウジはもう快感に身をゆだねてしまっている。いいなりだ。
 脚をMの字に開いたところへ、高田が頭を入れた。
 パクリと咥えられた。
 目の前で、精悍な顔が上下に振られる。
「ううん」
 動作は激しい。
「で、出そう……」
 動き続けられた。
「ああ、出るう」
 ユウジは、ベッドの上で、ドクンドクンと射精した。高田は長く、口を離そうとせず、どこまでも絞り取るようだった。
「はあー」
「もう、マホの手なんて煩わす必要なんてないんだ。それはいいことだ。彼女との結婚だって、まだ早いんだから。そうだろ?」
 頷いて答えるユウジの顔は、どこか陶然としているのであった。
   (おわり)

年上彼女の父

年上彼女の父

「官能小説」。登場カップルは男性どうしです。

  • 小説
  • 掌編
  • 成人向け
  • 強い性的表現
更新日
登録日

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted