ひとりから世界へ

猫 屋根に飛び乗りました
しとやかな尻尾を連れて

夏 野原に流れて行きました
湿った匂いが通り抜け

窓枠から眺めています 缶を床に擦らせながら
子供の亡霊を引いています 煙を髪に絡ませながら

歴史を残しても誰もいない (らい)
小道を歩いても戻らない 会え ない
戻らないのなら
残すものはありません

ひとりから世界へ

ひとりから世界へ

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-26

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