冷陽の川

冷陽の川

真夏にも雪を見る……

沢山の雪と流れて…



前に月と背に朝陽、

前に星と背に夕陽。

こうして七日も終わる頃、

気付くと八日目の月を見る。

終わりを思い始める時、

終わり間際を待ちわびる。

夏始まるは暮れ沈み、

枯れゆく色も染まる雲間に。

若く眩しい頃思えば、

懐かし話に色を着け。

空の色は変わらずも、

見えぬ風音白く成り。

黙って時過ぎ風のあと、

見えぬ君子の遠い影。

笑う陽の中凍る風、

眩しく苦い雪の様。

我が道渡る強い意志、

柵涙も積もる雪。

積もる涙は日々にとけ、

互い冷めた陽背を向けて。

幻影の陽を浴びる頃、

悔やむ雪は川と流れて……

冷陽の川

暑く苦い雪解けの川。

冷陽の川

流れたり、止まったり、浮かんだり……

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-25

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