秋の短歌

秋の短歌

アユタヤの夜照らさるる尖塔を
かの戦火(いくさび)と思ひ拝みつ

外人に日本学びし昼下がり
明治は遠くなりにけるかも

秋の雲さざ波立ちぬ風なくに
み空の遠き海を映すか

はたと葉の黄にかほりたる落ちにけり
風吹きそめで物語もなし

ととがなし草葉の陰にいます君
我らを守り導かせたまへ

かの花は赤き葉となり秋桜(あきざくら)
誰の肩にや今落ちにける

紅葉(もみじ)のみ華やぐ秋の公園の
飯桐(いいぎり)の黄の曇天に立つ

秋の朝雲を縁取る光見て
後ろめたき身は仕事場に向く

秋の短歌

秋の短歌

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-24

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