未完成(クトゥルフ物) 2
前回の続きです。 短いのはめんd・・・いえ構成を考えてい・・・るんですよ?
さて、自分でもどうやって進めていくのかよくわかりませんがまあその場のノリと気合と汗とほんのちょっとの涙で乗り切れるでしょう。
前回を見ていない方は読んできてください。完全に続きなので読まないとわかりません。
正直本編よりもここを書くほうが楽しいですね。口調を自由にできますし。
暗い部屋の中で、彼は椅子に座り机の上に置いたとある印を眺めていた。
その印は彼に強い拒絶をしていたが、ついには塵となり崩れて消えた。
さして興味もないように椅子から立ち上がったその彼の目はとても暗いものであった。
空には多くの星が見えていた。
こんなに星が見えるのは久しぶりかもしれない。都会に移り住んでからは初めてだった。
そういえば近く星の並びが直線になると新聞に小さくだが書かれていたことを思い出す。
・・・だからといって何が変わるというわけではないが、今の彼女にはそうでもして意識を別のところに向けておきたい理由があった。
先ほど入っていたはずの店がいきなり消えて手には本を持っていたからだ。
明らかにおかしい。知り合いにでも言ったら狂っているとでも言われるだろうか。
そういった理由でとりあえず現実逃避しようと試みるも、当たり前のごとく興味を惹かれてしまう。
手に入れた本はとても綺麗とは言えず、むしろ汚いくらいで経年劣化によってボロボロだ。
すでに何世紀もの時間を過ごしたのであろう。
中身が気になるのだが、こんないかにもあやしそうな本を家に帰りながら読んでいては変人だ。
家に帰ってから読むことにして、彼女は星を見上げる。
そこには月は見当たらないが、それがむしろ星の光を引き立たせるかのようでとても美しかった。
家に帰ると、着ていたコートを脱いだ。女物ではないが、父の形見であり暖かくて重宝している。
ふと見るとコートのポケットに何かの紙が入っていた。身に覚えはない。
そこにはなにかよくわからない印のようなものが書かれており少し不気味なものだった。
とりあえずゴミ箱に捨てておき、先ほどの本は机の上に置いてから隣の部屋に行きとある辞書を取ってくる。
『アラビア語辞書』と『魚人にもわかるアラビア語』の二冊だ。
大学で語学を選ぶことができるのだが、選択科目は[スペイン語][ギリシア語][アラビア語]の3つで、他二つはすでに知っていたのでアラビア語を選択したのだ。
そのときに買ったものがこの2冊だった。
椅子につくとその2冊を置いてあの本を手にとってみた。表紙に手をかけると感じたことのない恐怖と好奇心が体を駆け巡る。
表紙を開くとアブドゥル・アルハザードの文字が羊の皮でできたページに記されている。
次のページからはさまざまな印や召還術について、そして今はなき地の内容やルルイエにて眠る存在のことが書かれていた。
しかし途中であまりの狂気に読めなくなり本を閉じてしまった。この本はあまりにも凶暴で、危険でそして興奮する。
真の恐怖について私は今日理解をしたのかもしれない。
未完成(クトゥルフ物) 2
まだまだ続きます。 いつになるかはわかりませんが、いつか書きます。